第249回
負のパワーをばねに、中国語習得

昨今の中国ブームで、
中国語の勉強を始めた方も多いのではないでしょうか。
私も日本にいた時には、中国語の学校に通ったり、
NHKテレビの中国語会話を録画して勉強したりしていたのですが、
結局、余り話せる様にはなりませんでした。
今、私が話している中国語の80%以上は、
中国に住んでから習得したものです。

私が中国語を勉強しようと思ったのは、
中国に出張に来た時に、
駐在員の方に連れて行ってもらったスナックが、
中国語が分からず、全然面白くなかった為です。

一方の駐在員氏は、何を話しているか全く分からないのですが、
中国語でお店の女の子とえらく楽しそうに話をしています。
今から思い返してみると、
駐在員氏も大した事は話していないのですが、
当時、中国語が全く話せない私はその会話が全く理解出来ず、
非常に悔しい思いをしました。
私はその悔しさを胸に日本に帰国し、
翌日には、中国語の学校に入学の申し込みをしていました。

その後、中国語を大して話せないまま駐在した後も、
タクシーに乗って、行き先を正しく発音出来ず、
運転手に下りてくれと言われたり、
中国企業との宴会で、中国語が話せない為、
中国企業の人と目が合う度に白酒を飲まされてゲロを吐いたり、
と悔しい思いを重ね、
その負のパワーをばねに、中国語を習得していきました。

私思うに、語学の習得は、
話せなくて悔しい思いをした数だけ、
その負のパワーで必死になって勉強して、
上達するものだと思います。
そういう意味では、中国語を習得したい人は、
実際に中国に住んでみて、たくさん悔しい思いをする事が、
上達の近道なのではないかと思います。

ただ、中国でビジネスをするに当たって、
中国語を話せるに越した事はないのですが、
中国ビジネスで成功する事が最終目的である場合は、
中国語は1つのツールでしかありません。
所詮、外国人の私たちがネイティブの中国人の人たちと
同じ様に話せる様にはなりませんし、
一生懸命勉強してネイティブ並みに話せる様になった所で、
その分儲かる訳でもありません。

中国でビジネスを成功させるには、
中国語が話せる話せないよりも、
ビジネスアイデアを実現させるスピードと実行力の方が
ずっと大切だと思います。

今の中国に1週間いれば、
100や200のビジネスアイデアを思い付くのが普通です。
そのアイデアを人より早く実現出来た人だけが、
大きな利益を得る事が出来ます。
まずは、中国語を話せる様になってから、
などと悠長な事を言っていては、
誰かに先を越されてしまうのです。


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