第326回
「ドラゴンファンド」

中国企業の海外への投資は、資源会社だけに止まりません。

先日も、上海汽車が経営再建中の韓国・双龍自動車を
5億ドルで買収しました。
上海汽車は主に乗用車を生産していますが、
レジャー用多目的車(RV)に強みを持つ
双龍自動車を買収する事により、
商品構成を強化する事になります。

また、上海で生産した乗用車を
韓国で販売する拠点を確保すると同時に、
双龍のRVを中国で販売する事も計画している様です。

日本企業も例外ではありません。

2002年、民事再生法の適用を申請したアキヤマ印刷機製造を、
上海電器集団が20億円で買収したのを皮切りに、
いくつもの日本の中堅、中小メーカーが
中国企業に買収されている様です。

日本のメーカーを買収する際の、中国企業の狙いは、
その高度な技術を取得する事にある様です。
ありあまる外貨を使って、
技術力の高い日本のメーカーを買収し、
その高度な技術を吸収すれば、
これも、中国の継続的な成長の大きな原動力となります。

最近、日本では、
経営再建中で価値の下がった企業を買収して、
徹底したリストラにより価値を上げて、
高値で売却する、という欧米の投資会社、
いわゆる「はげたかファンド」が
幅を利かせている様です。

しかし、もう暫く経つと、
ありあまる外貨にモノを言わせた中国資本、
名付けて「ドラゴンファンド」が
再建中の日本企業を買いまくる、
なんていう事も起きてくるのではないでしょうか。


←前回記事へ 2004年11月26日(金) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ