第332回
「何の理由も無い殺人」

中国でも日本の事件は報道されます。
中国の人たちが驚くのは、
日本では「何の理由も無い殺人」が多い事です。

中国でも殺人事件はたくさんあります。
しかし、そのほとんどが「金」か「恨み」が原因です。
動機が単純なので、殺されたくなかったら
「治安の悪そうな所には近づかない」とか、
「人から恨まれる様な事をしない」とか、
対策を立てる事が出来ます。

しかし、日本の様に、
「頭のおかしい人がいきなり、周りの人を包丁で刺し始める」
という様な通り魔的な殺人になると、
対策の立てようがありませんので、
中国の人たちは言い知れぬ恐怖を感じる様です。

中国の人たちに言わせると、
日本政府が頭のおかしい人を
たくさん野放しにしている事自体が信じられない様です。
「それは、頭のおかしい人にも人権があるからだよ」
と説明すると、
「じゃあ、頭のおかしい人1人の人権を守る為に、
 たくさんの国民を危険にさらしていいのか!
 頭のおかしい人に殺された
 たくさんの人たちの人権はどうなる!」
と反論されます。
それは、ごもっとも。
反論の余地はありません。

日本にはどうしてこんなに頭のおかしい人が多いか、
というと、それは、
「圧力太大了(やーりーたいだーら)」、
つまり、ストレスが大きすぎるから、
と中国では言われています。
通勤電車で痴漢をする人が多いのも、
「圧力太大了」が原因と言われています。
良く知ってるね、そんな事...。

しかし、そういう中国も、競争の激化により、
ストレス社会はもうすぐそこまで来ています。
「大陸的おおらかさ」が消え、
えらく世知辛い世の中になりそうな兆候は、
そこここに現れています。

「圧力太大了」が原因の「何の理由も無い殺人」が、
中国の新聞紙上を賑わす、なんていう事も、
近い将来あるのかもしれません。


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