第441回
「数打ちゃ当たる」式セールス

そして、最近、最も増えたのが、
電話によるセールスです。
電話によるセールスがややこしいのは、
電話を取った時点では、
仕事の電話か、セールスの電話か、
区別がつかない事です。

電話でセールスをする人も、だんだん賢くなってきて、
すぐに「要りません!ガチャン」と切られないように、
取引先をよそおったり、
「総経理をお願いします」の一点張りだったりと、
手口が巧妙になってきています。

中には、「朝陽区人民政府ですが...」
などと言ってかかってきて、
こちらが身を硬くして話を聞いていると、
実は文房具のセールスだった、
なんていう電話もありました。
朝陽区人民政府が文房具の販売なんかやるか!

私はかかってきた電話がセールスだとわかった時点で、
「要りません、ガチャン!」と切ってしまいます。
しかし、パートナーの劉さんは、
忙しい時に限ってかかってくるセールスの電話に
怒り心頭のようで、
「うちの電話番号どこで手に入れたの!
言いなさい!」とか、
「二度とかけてこないで!
今度かけてきたら公安局に通報しますよ!」
と言ってすごむので、
逆に相手が恐れをなして電話を切ってしまうようです。

訪問セールス、e-mailでのセールス、電話でのセールス。
こうした「数打ちゃ当たる」式のセールスは、
セールスする方もつらいですが、
セールスされる方にとっても仕事の邪魔になります。

中国経済は競争社会に突入したばかりであり、
今までセールスなんてやった事がなかったので、
そのやり方も未熟である、というのは理解できます。

しかし、今後、中国でも、
「相手にも利益になるような商品情報を提供する」
というセールスの基本をふまえた、
もっと科学的で効率の良いセールスの方法が
早い時期に普及する事を期待します。


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