第443回
「中国起業」の「最初の一歩」

「中国起業」を検討する人が、
なぜこんなに少ないのか。
それは多分、中国に住んだ事がないので、
わけがわからないからだと思います。

言葉も通じない、知り合いもいない、
土地勘もない異国の地で、
一から事業を立ち上げる、なんていう事は、
いくら中国の経済成長のすごさを耳にしていても、
自分の事として考える事が
できないのではないでしょうか。

こう言っている私も、ある日
「もう中国経済はダメなので、
明日から経済発展著しいロシアに行って
会社を興しなさい」と言われたら、
かなり腰が引けてしまうと思います。
ロシア語わからないし、寒いの苦手だし。

しかし、そんな事態に陥ってしまったら、
私ならまず、モスクワに住んで、
ロシア経済がどういう仕組みで回っているのか、
この目で確かめます。
そして、留学するなり、仕事をするなりする中で、
ビジネスチャンスを見極めると共に、
一緒に組んでビジネスをする
信頼できるロシア人パートナーを探します。

わけがわからなければ、
わけがわかるようにすればよいのです。

わけがわかるようになるまでには、
時間もお金もかかりますが、
今の中国には、それだけの時間とお金をかけても、
それを十分回収できるだけの
価値があると私は思います。
まずは中国に住んでみる事。
これが「中国起業」の「最初の一歩」だと思います。

私の場合は、5年半にわたり、商社の駐在員として、
北京で仕事をさせてもらいましたので、
お金を頂きながら中国語を習得し、
中国ビジネスのなんたるかを
勉強する事ができました。
更に、「この人にだまされたら諦めがつく」
というぐらいの全幅の信頼を置ける
ビジネスパートナーを得る事もできました。

これらは全て、北京に5年半も住んでいたから
得る事ができたものであり、
これがそのまま日本にいたら、
中国ビジネスの現状を把握する事も、
ビジネスパートナーを得る事も
絶対にできませんでした。

一見、「いや、無理でしょ、そんなこと」
と思える事も、その世界に飛び込んで
必死になってあがいているうちに、
ふと気が付くと、いとも簡単に
こなせるようになっていたりするものです。

もちろん、「中国起業」を
無理に薦めるわけではありませんが、
中国に住むこともせずに、
最初から「中国起業なんて、絶対無理だ」
と決め付けてしまうのは、
あまりにもったいないのではないか、
と中国に住んでいる私は思うのです。


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