第452回
中国の大学生就職先人気企業ランキング

先日、中国の大手求人サイトである「中華英才網」が、
「2005年大学生就職先人気企業ランキング上位50社」
を発表しました。

それによれば、ベスト10は下記の通りです。
1位 海爾(ハイアール)集団
2位 IBM(米国)
3位 P&G(米国)
4位 聯想(レノボ)集団
5位 華為技術
6位 マイクロソフト(米国)
7位 中国移動
8位 LG電子(韓国)
9位 中国電信
10位 シーメンス(ドイツ)

日系企業は28位にソニー、
48位に松下電器産業がランクインしたのみだそうです。

最近の傾向としては、
中国国内企業の人気が高まっているようです。
50位以内にランクインした中国企業は、
2003年16社、2004年17社、
そして今年2005年は19社と、
徐々にですが毎年増えているそうです。

こうしてベスト10の会社を見ていくと、
2年連続で第1位となった海爾集団をはじめ、
電気、通信、IT関係の会社に
人気が集中していることがわかります。

中国の大学生が就職先を決める際に重視するのは、
「その会社で働いて、自分が成長できるのか」、
「報酬、福利」、「充実した研修制度」とのことです。
中国の大学生が、電気、通信、IT関係といった
理系の会社を志向するのは、
会社の将来性といったことよりも、
「手に職をつけて、自分の価値を高めたい」
という非常に現実的な目的からなのかもしれません。

これに対し、日本の大学生が就職したい企業は、
かなり傾向が違います。

「毎日コミュニケーションズ」が発表した、
「2005年度大学生就職先人気企業ランキング」は、
文系がJTB、全日空、JAL、資生堂、トヨタの順。
理系はトヨタ、日立、サントリー、ソニー、松下
の順でした。

こちらは、「華やかな職場」とか、「勝ち組の会社」とか、
そういった基準で選ばれているのがよくわかります。

かく言う私も、
「総合商社」に的を絞って就職活動をしていた時には、
ご多分に漏れず
「アタッシュケースを持って世界を駆け巡る辣腕商社マン」
なんていうのをイメージしていたのですが、
実際に入社してみたら、仕事があまりに地味なので、
ビックリしてしまいました。

ま、この日中双方の人気企業ランキングも、
社会経験のない大学生の考えていることですから、
たかが知れているのですが、
今後の両国経済の方向性を占うための
参考ぐらいにはなるかもしれません。


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