第465回
中国でMP3が大流行しているわけ

最近、通勤の時に音楽を聴いている人を
見かけることが多くなってきました。
彼らが持っているのはMP3プレーヤー。
パソコンから音楽をダウンロードして聴ける、
小さな携帯用のプレーヤーです。

中国は「音楽を聴きながらの通勤」に関しては後発ですので、
日本のようにカセットテープ→CD→MD→MP3と
技術の進化とともにプレーヤーを買い換えることなく、
一足飛びにMP3が大流行をしています。

中国でMP3がこれだけ大流行しているのには、
3つの理由があります。

まずは1つ目は、
安いMP3プレーヤーが出てきていることです。

MP3プレーヤーの元祖である、
アップルコンピュータのiPodは
中国でも販売されています。
しかし、値段が日本市場向けと
あまり変わりませんので、
へたをすると、サラリーマンやOLの月給と
同じぐらいの値段になってしまいます。
いくら中国の人たちの収入が増えている、といっても、
ちょっとこれでは手が出ません。

これに対し、中国産のMP3プレーヤーは、
180元(2,700円)ぐらいからあります。
180元ならば、安月給のサラリーマンやOLでも、
十分に手の届く値段です。
安いかわりに、メモリーが少ないらしく、
30曲ぐらいしかダウンロードできないようなのですが、
通勤の時に音楽を聴く、というだけの目的ならば、
これで十分です。
1万曲もダウンロードできる必要はないのです。

2つ目の理由は、
音楽を会社のパソコンからダウンロードできることです。

パソコンの値段は、いくら中国でも、
やはり4,000元(60,000円)ぐらいはしますし、
ダウンロードするために引くADSLも
2Mで月500元(7,500円)はします。
これを個人で負担するのは、非常につらいです。
特に、普段、家でパソコンを使う必要がなく、
通勤の時に音楽を聴きたいだけの人はなおさらです。

しかし、会社に行けば、自分用のパソコンもありますし、
ADSLも引いてありますので、
自由にダウンロードをすることができます。

勤務時間外に会社のパソコンを使って
音楽をダウンロードすることに、
とやかく口をはさむような上司は、
この国にはいないのです。


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