第515回
中国の起業率が高いワケ

「どうせ起業するなら、
市場が成熟しきっており、閉塞感ただよう日本より、
市場が未成熟、且つ、破竹の勢いで経済成長を続ける中国で」
というのが、私が「脱サラ中国起業」をおススメする理由です。

しかし、いくら景気が良いといっても、
中国で起業すれば、なんでもかんでも成功するか、
と言ったら、そんなことはないようです。

先日、上海市が、上海で起業した
中国人起業家を追跡調査したところ、
17.5%が会社設立1年以内に
倒産していることがわかったそうです。
これだけの好景気でも、5社に1社弱は、
1年以内に潰れてしまうんですね。

そう言われてみれば、北京でも
「あのレストラン、お客さん入ってないなぁ」
なんて思って見ていると、翌週には潰れていて、
もう一週間ぐらい経つと、
今度は雑貨屋がオープンしていたり、
なんてことがよくあります。

儲からないと思ったら、さっさと会社を潰して、
次なるチャレンジをするのでしょう。
先の調査で、会社を倒産させた起業家に、
「また、再挑戦しますか」という質問をしたところ、
51.3%の人が「もちろん、再挑戦する」と答え、
「もう、起業はこりごり」の3.1%を
大きく引き離したそうです。

この「へこたれなさ」!
私たち日本人も彼らに学ばなければいけません。

しかし、この17.5%という数字、
決して高い数字ではありません。

日本の中小企業白書によれば、
日本で新規登録された会社のうち、
約40%が1年以内に倒産してしまうそうです。
1年以内の倒産率は、上海の倍以上です。
中国起業すれば、絶対に潰れない、
ということはありませんが、
やはり、景気の良いところで起業した方が、
成功率は高い、ということは言えそうです。

中国は起業の成功率もさることながら、
起業をする人自体の比率も、
日本に比べて圧倒的に多いようです。

現在、上海の起業率は4.9%、
一旗揚げようと
田舎から出てきた人が集う街・深?に至っては、
起業率は10.5%にのぼるそうです。
これに対し、日本の起業率はわずか1.8%。
上海では20人に1人、
深センでは10人に1人が起業するのに対し、
日本で起業する人は50人に1人もいません。

この結果は、日本人と中国人の起業に対する考え方の違い、
ということもあるかもしれませんが、
やはり、中国の起業率が高いのは、景気が良いので、
目の前に転がっているチャンスがたくさんある、
ということもあるのではないでしょうか。


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2006年2月6日(月)

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