第586回
中国のビジネスホテル

今、中国のホテル業界が変わりつつあります。

従来の中国のホテルは、
国家旅遊局がサービスや
付帯設備などに関する独自の基準により、
それぞれのホテルに
一つ星から五つ星までの等級を付け、
宿泊料金のレベルも、
その等級によって決まっていました。

中国のホテルの宿泊料金は、
そのホテルの所在地や
宿泊時期によっても変わってきますが、
一泊の料金はだいたい、
三ツ星で400元(6,000円)、
四つ星で700元(10,500円)、
五つ星で1,000元(15,000円)
といったところでしょうか。

従来、中国企業の国内出張には、
三ツ星ホテルが使われることが多かったのですが、
最近は星が付いていないビジネスホテルを
利用する人が増えてきました。

中国のビジネスホテルは、日本のそれと同じく、
宿泊に特化したつくりになっており、
簡単なロビーとレストランのほかには付帯設備はなく、
サービスらしいものもほとんどありません。
しかし、部屋は清潔で、
1泊の料金は200元(3,000円)前後と、
三ツ星ホテルの半額程度の値段設定となっています。

邱さんが日本で
ビジネスホテルを発明してから約40年。
中国でもようやく、
ビジネスホテルが普及しつつあります。

中国ホテル協会も、
ビジネスホテルは今後有望と見ており、
10年後には、ビジネスホテルの部屋数が
従来の星付きホテルを上回り、
宿泊施設の主流になるであろう、
という予測を発表しています。

同協会と商務部が合同で行った調査によれば、
ビジネスホテルチェーンの
錦江之星(じんじゃんじしん)や
如家(るーじゃー)は、
過去3年間で、年間平均90%以上という
高成長を遂げているそうです。

私も、今年前半、
頻繁に天津に出張していた時には、
毎回、天津駅前の如家に泊まっていました。
1泊200元(3,000円)前後ですが、
立地は抜群で、どこに行くにも便利ですし、
部屋は非常に清潔ですので、
昼間働いて、夜、寝に帰るだけであれば、
全く問題はありません。

日本には40年も前からあるビジネスホテルですが、
中国では普及し始めたばかりです。
市場が未成熟な中国には、
こんなビジネスチャンスが、
まだまだたくさんありそうです。


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2006年7月21日(金)

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