第672回
酒の持ち込みお断り!

以前もご紹介しましたが私、
「北京白酒会(べいじんばいじょーほい)」
という会の会長をしております。
この会、簡単に言うと
「北京に住む、白酒を愛する日本人の会」で、
毎月、中国各地に出張に行った
会員のみなさんが買ってきてくれた、
それぞれの地方の白酒をみんなで飲み比べる、
という酒飲みの会です。

こうした会の性格上、
会場となる中国料理のレストランは、
お酒の持ち込みを許してくれるところでないといけません。
しかし、酒類の販売はどこのレストランでも
大きな収益源となっていますので、
まともに問い合わせると
「お酒の持ち込みはご遠慮ください」
と言われてしまいます。

このため、最近は、予約するときには何も言わず、
当日、勝手に持ち込み、勝手に飲み始める、
というゲリラ的な戦法を使うことが多くなってきました。
服務員(ふーうーゆぇん、ウェイトレス)も、
ややこしいことに巻き込まれるのはいやと見えて、
見て見ぬふりをする人がほとんどです。

そんなゲリラ戦法に頼っていた「北京白酒会」ですが、
正々堂々とお酒を持ち込める可能性が出てきました。

先日、北京や上海など四大都市の消費者保護協会は
「レストランが客の酒類持込を禁止するのは、
暴利をむさぼるための理不尽な行為であり、
消費者との公平な取引を定めた関連法令に違反している」
という共同声明を出しました。

共同声明では、
「レストランが酒の持ち込みを禁止するのは、
自分のところで出す酒を
市場価格の数倍の値段で売るためである」
とレストラン側の態度を非難しました。
そして「これは消費者が「品質が良く、
価格が合理的な製品やサービスを受けられる」
ということを保証した、
消費者保護法、不正競争防止法、契約法などの
関連規定に違反している」としました。

これを突き詰めていくと、
では、お酒を売るのを生業としているバーでも、
酒の持ち込みを容認するのか、とか、
レストランに食べ物を持ち込むのはどうなのか、とか、
いろいろな疑問が湧いてきますが、
ともあれ、私たち「北京白酒会」にとって
ありがたい方向に向かっていることには
間違いはないようです。


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2007年2月7日(水)

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