第812回
中国起業と「紅白歌合戦」

今日は大晦日です。

私にとっての大晦日は、毎年、
中国で起業した当初の苦労を思い出す重要な日です。

思い起こせば、6年前、2001年の大晦日。
中国で起業して既に3ヶ月が経っていました。
自信満々で始めた中国事務所代行サービスの売り込みを図るも、
日本の中小企業に全く相手にされず、
たまに相手にされてもいいようにあしらわれ、
資本金ばかりがものすごい勢いで減っていきました。
収入の見込みが全く立たない絶望的な状況の中で、
夜は眠れず、食事も喉を通らず、
たった3ヶ月で7kgも痩せてしまいました。

そんな中、出費を抑えるために引っ越した
家賃の安い中国人用マンションでは、
日本のテレビ番組が受信できませんでした。
中国では外国人用マンションやホテルなどでは、
海外の衛星放送の受信が許されているのですが、
一般のマンションでは受信が許されていないのです。

当時、日本では「モーニング娘。」が非常に人気があり、
北京日本人学校の友達同士の会話の中でも、
「モーニング娘。」が話題に上がることが
よくあったらしいのですが、
私の娘たちは日本のテレビを見ていませんので、
話題についていけません。

その娘たちから
「どうしても紅白歌合戦で
モーニング娘。を見せて欲しい!」
と懇願されました。

ただでさえ資金の流失が激しく、
おカネは少しでも節約したいところでしたが、
私は断腸の思いでホリデーインというホテルに部屋を取り、
2001年の大晦日はそこで家族揃って
「紅白歌合戦」を見ながら年を越した、というのは、
拙著「起業するなら中国へ行こう!」にも書いた通りです。

NHKの「紅白歌合戦」は年々視聴率が落ちているらしく、
毎年改革が叫ばれ、様々な趣向が凝らされています。

しかし、私にとっての「紅白歌合戦」は、
たとえどんなにつまらない内容であっても、
起業当初の苦労を思い起こし、
何とか食っていけるようになった
現在の状況に感謝するための、
とても重要な存在なのです。


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2007年12月31日(月)

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