第870回
北京市内トラック全面通行禁止令

とうとう恐れていたことが現実となってしまいました。

先日、北京市交通管理局から召集がかかり、
今年7月から9月までの間、
トラックは北京市内「事実上」全面通行禁止、
という通達が出されました。

通達では
「購入2年以内のガソリンエンジントラックは対象外とする」
ということなのですが、
そんな燃費の悪い贅沢なトラックは誰も持っていませんので、
事実上の全面通行禁止です。

理由はオリンピック期間中の大気汚染の防止です。

先日までは、車のナンバーの末尾が偶数か、奇数かで
自動車の走行を規制して大気汚染を防止する、
という話になっていましたので、
偶数ナンバーのトラックが多い当社は、
奇数ナンバーのトラックが多い会社を探して、
オリンピック期間中はお互いにトラックを融通し合おう、
というような話を進めていました。

しかし、最近になって、
エチオピアの男子マラソン世界記録保持者が
大気汚染を理由に
北京オリンピックへの出場を辞退したことなどから、
各国の選手やオリンピック委員会が
北京の大気汚染が選手の健康に与える影響を
心配するようになってきました。
中国政府はそうした不安を払拭するために、
従来のナンバー規制に加えて、
トラックの全面通行禁止を決めたのでしょう。

3ヶ月間のトラック全面通行禁止は、
当社を含む北京の運輸業界に大きなダメージを与えます。
しかし、国家の威信をかけて
オリンピックを成功させようとしている中国政府にとっては、
この規制によって、引越屋が何軒潰れようが、
そんなことはどうでも良いことなのでしょう。

当社としては3ヶ月間、
商売が上がったりになってしまうのは大変つらいことですが、
それよりも安請け合いした仕事を全うできずに、
お客様の信用を失ってしまう方がもっとイヤですので、
お客様にはこの時期のお引越は
極力避けて頂くよう今からお願いしています。

今後、オリンピックが近づくにつれて、
様々な追加の通達が出されるかもしれませんが、
当社としては何が起きても困らないように
万全の対策を採っていきたいと考えています。


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2008年5月12日(月)

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