第965回
中国企業の「勝ち組」と「負け組」

世界的な金融危機の影響により、
中国の実体経済も減速しつつあります。

当社は外国人向けの引越という、
景気が良かろうが悪かろうが常に一定数は発生する、
比較的景気の波に左右されない仕事をしているせいか、
今のところ経済の減速をあまり実感していないのですが、
他の業界の経営者の方のお話を聞いていると、
暴風雨が来る前の備えに
忙殺されている方も少なくないようです。

中国株も一時期よりは上がったとは言え株価は冴えず、
異常な低株価収益率(PER)、
高配当利回りのお買い得銘柄がゴロゴロと転がっている
大バーゲンセール状態が続いているように見えますが、
これも一足先に下がった株価に
企業業績が追いつくような形で
「正常化」するような気もします。

ただ、中国が日本と違う点は、
日本のマーケットが既に成熟してしまっている一方で、
中国のマーケットにはまだまだ開拓の余地が
たくさん残されていることです。

私がいつもお話ししているように
中国で起業することの利点は、
高度経済成長で既存のマーケットが
どんどん大きくなっていることよりも、
その周りにまだ誰も踏み入っていない
まっさらの新規マーケットが広がっていることにあります。

実体経済の減速により、
既存のマーケットが縮小してしまったとしても、
今までになかったモノやサービスを提供して
新規のマーケットを開拓すれば、
企業は成長を続けることができるのです。

景気が良かった時にはどんな会社でも
利益を増やし続けることができました。
しかし今後、中国経済が景気減速局面に入れば、
「既存マーケットの膨張に頼っていた企業」と
「新規マーケットを開拓する企業」の差が明らかになり、
同じ業界でも「勝ち組」と「負け組」に
分かれていくのではないか、と私は思います。


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2008年12月19日(金)

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