第1039回
「高校の授業を受けられるレベル」の中国語

今、我が家の長女が大変な目に遭っています。

彼女は今年3月に北京日本人学校の中学部を卒業したのですが、
高校は9月から北京市第五十五中学国際部という
中国系のインターナショナルスクールに進むことになりました。

彼女は3歳のときに北京に来て以来13年間、
ずっと中国に住んではいるのですが、
学校は日本人学校、
住居は日本人用アパートメントでしたので、
中国の人たちと接する機会はほとんどなく、
ゆえに中国語はほとんど話せません。

しかし、9月からは高校の授業を
全科目中国語で受けなければいけませんので、
この半年間で中国語のレベルを
「高校の授業を中国語で受けられるレベル」にまで
急速に引き上げるべく、
毎日、五十五中学が開いてくれている
中国語の補習に通っているのです。

ただ、中国語の補習と言っても、
一般の語学学校のような生ぬるい授業では
とてもではないですが、
半年でほぼゼロの状態から高校の授業を受けられるレベルまで
中国語の能力を引き上げることはできません。
このため、五十五中学の補習は
中国語で中学3年生の授業を受ける形で行われています。

ほとんど中国語が話せない状態で
いきなり中学3年生の授業を中国語で受けさせられても、
当初は先生が何を言っているのか全くわからなかったそうです。
しかし、毎日、中国語のシャワーを浴び続け、
また、半年で中国語のレベルを上げないと
高校に進学できないというプレッシャーから
必死に授業に食らいついていこうとしていることもあり、
最近は先生の言っていることが
徐々にわかるようになってきているようです。

学校の授業が終わってからも勉強は続きます。
五十五中学は中国系の学校ですので、
ご多分に漏れず大量の宿題が出ます。
日本人である彼女は漢字がわかりますので、
欧米人の同級生に比べればかなり有利ではあるのですが、
それでも問題を解く以前の問題として、
そもそもの問題の意味を把握するために
辞書でわからない単語を調べたりする手間がかかりますので、
毎日夜遅くまで大量の宿題と格闘しています。

北京には日本人学校があるのですが
小学部と中学部しかありませんので、
中学部を卒業した生徒の多くは
日本に帰国して日本の高校に進学します。
我が家の長女にも日本に帰国して
日本の高校に進学するという選択肢はあったのですが、
彼女は自ら現地校への進学という茨の道を選びました。

その選択のおかげで彼女は今、えらく苦労していますが、
この調子で中国語で授業を受け続ければ、
高校を卒業する頃には私のレベルをはるかに超える
中国語能力を身に付けられるのではないかと思います。

彼女には将来、その苦労して得た中国語能力を、
ぜひ日中の相互理解を更に深めるような仕事に
生かしてほしいと思っています。


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2009年6月8日(月)

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