第1078回
「モンスターペアレント」

学校に対して自己中心的で
理不尽な要求を繰り返す保護者、
いわゆる「モンスターペアレント」が
日本で増殖しているようです。

「遅刻がいけないなら、朝子供を起こしに来い!」、
「学校で服が汚れたんだから学校が責任持って洗濯しろ!」、
「うちの子供をリレーの選手にしろ!」、
「義務教育なんだから給食代もタダにしろ!」などなど。
まさに「モンスター」の名にふさわしい暴れっぷりです。

特に、払う能力があるのに給食代を払わない、という
給食代未納問題はかなり大きな広がりを見せているようです。
実際には教育的見地から学校側は
未納の子供にも給食を食べさせているようですが、
むしろ給食代を払わない家の子供には給食を与えず、
「おカネを払わなければ食べられない」という
社会のルールを身を以て体験させた方が
良い教育になるのではないか、と私は思います。

一方の中国。
日本とは比べものにならないぐらいのゴネ得社会で、
なお且つ、一人っ子政策のおかげで
1人しかいない子供を溺愛する親バカが多いこの国では、
さぞや学校は「モンスターペアレント」の対応に
頭を悩ませているであろうと思っていたのですが、
実際にはそんなことはなさそうです。
中国の学校は最初から「モンスターペアレント」を
増殖させないようなシステムになっているのです。

長女が中国の学校に入って初めて分かったのですが、
中国の学校は生徒や保護者に対して
非常に高圧的で厳しい態度を取ってきます。

先日、長女の学校の授業料納付のお知らせが来たのですが、
そこには「決められた日に親が学校まで授業料を持って来い。
その日に授業料を納めなかった家の子供は、
即刻退学処分とする」と書いてありました。

また、長女が学校から持ってくるプリントには、
ことごとく学校の責任を回避する文言が書かれており、
そこに保護者が誓約のサインをして
学校に戻すことになっています。
明らかに「我々のやり方が気に入らなければ、
退学してもらって結構」という態度です。

これは中国の学校の先生が
非常に偉い「教育者」という存在であり、
「我々のやり方に従うなら、教えてやっても良い」
という生徒や保護者より上の立場にあるためだと思います。

日本でも私が子供の頃までは
学校の先生はエラい「教育者」だったと思うのですが、
いつの間にやら生徒や保護者という消費者に
教育というサービスを提供する「教育業者」という立場に
成り下がってしまったようです。

私は中国の学校のやり方が全てよいとは思いませんが、
やはり、日本の学校の先生には「教育業者」から
「教育者」の存在に戻って頂きたいと思います。
そして、理不尽な要求をする「モンスターペアレント」には
「ルールに従わないなら退学してもらって結構」という
厳しい態度を取ってほしい、と私は思います。


←前回記事へ

2009年9月7日(月)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ