第1190回
今、中国で最も注目の街・天津

今、私が最も注目している中国の都市。
それは天津です。

当社は2005年に天津事務所を開設し、
その当時は私も頻繁に天津に出張していたのですが、
その時の天津の印象は一言で言うと
「巨大な田舎」でした。

天津は北京、上海同様、
1000万人以上の人口を擁する直轄市です。
しかし、街中が埃っぽくて空気は悪く、
交通ルールは無茶苦茶、人々のマナーも悪く、
まるで10年前の北京を見ているようでした。

天津の方には申し訳ないのですが、
出張中はしばしば街の喧騒から逃れるために、
当時、天津にでき始めたばかりの
スターバックスに逃げ込み、
「早く文明都市・北京に帰りたい」
と思ったものです。

しかし、その後、中国政府は
華南の珠江デルタ、華東の長江デルタに続き、
北京、天津、河北省、遼寧省、山東省を含む、
環渤海経済圏の発展に力を入れ始め、
天津の街から40km離れた天津新港に近い
天津濱海新区(てぃえんじんぴんはいしんちゅぃー)を
同経済圏の中核都市として開発することにしました。
将来的には濱海新区は、華南の香港、華東の上海に並ぶ、
国際金融都市になるのだそうです。

こうしたこともあり、昨年、金融危機の影響で
上海市8.2%、浙江省8.9%、広東省9.5%と
沿海部の各省・直轄市は
軒並み一ケタ成長に止まりましたが、
天津市は16.5%と沿海部の中では
もちろんダントツのナンバーワン、
全国の省・直轄市の中でも
2番目に高い成長率を記録しました。

今、天津で何が起きているのか?

そう考えると居ても立ってもいられなくなり、
私は早速、休日を利用して、
天津の現状を見に行くことにしました。


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2010年5月26日(水)

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