第1204回
ニンニク価格高騰の影の仕掛け人は誰だ!

中国ではニンニク価格の高騰により
「ニンニク長者」が続出していますが、
この価格高騰は人為的に仕掛けられたもので、
その仕掛け人たちは影で、
そうした「ニンニク長者」とはケタ違いの金額を
稼いだのではないかと言われています。

その仕掛け人とは、
やはりというか、またかというか...。
そう、中国最強の投機集団・温州商人です。

中国では何かの価格が異常に高騰する裏には、
必ず温州商人がいると言われています。

彼らのやり方はこうです。
価格が実際の価値よりも割安だったり、
これから値上がりしそうだったりするものがあると、
複数の温州商人が共同でおカネを出し合って、
その対象を一気に買い占めます。

そうすると、価格上昇に気付いた一般庶民が
その対象を買いに集まってきて、
価格は一気に高騰します。
そして、温州商人は一般庶民が価格高騰で狂乱する中、
ひっそりと気付かれないように売りに入り、
巨額の儲けを実現するのです。

温州商人が最も得意とする投機対象は不動産ですが、
彼らは不動産にこだわっているわけではありません。
上海の不動産を高騰させ、
高値で売り抜けた後に手にした現金で、
彼らが買い占めたのは山西省の石炭でした。

その後、金融危機による景気の減速で
石炭の需要が落ち込むと見るやいなや、
炭鉱から一斉に投資を引き上げて
山西省を昨年、全国唯一のマイナス成長に陥れました。
そして、その資金は再び不動産に投資し、
海南島の不動産価格を高騰させたりしていたのですが、
今回、彼らが目を付けたのは、
絶対に必要な食材であるにも関わらず、
作付面積が激減していたニンニクだったのです。

温州商人にとっては、
マンションも石炭もニンニクも
単なる資産を表す記号であり、
投機の対象としては同列です。
彼らにとっては値上がりさえすれば、
本来の用途などどうでもよいのです。

一時期よりは落ち着いたものの、
中国のニンニク価格はまだまだ高騰が続いています。
しかし、うわさによれば、
温州商人は既にニンニクを高値で売り抜け、
今は、唐辛子やトウモロコシの価格高騰を
仕掛けようとしていると言われています。

価格高騰の影の仕掛け人・温州商人。
彼らの仕掛けた価格高騰に乗せられて
ババを引かないためには、
温州商人の友達を作って、
彼らが価格高騰を仕掛ける前に
一緒に投資させてもらうしかなさそうです。


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2010年6月28日(月)

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