第1216回
猛暑と景気のカンケイ

今年の北京の夏は記録的な猛暑から始まりました。

北京では今月初め、最高気温が40℃を超え、
この時期としては約60年でぶりの暑さを記録しました。
熱中症で緊急医療機関に運び込まれた人は
7月3日から5日で59人と、
わずか3日間で6月1ヶ月の人数に並びました。

元々北京は、最も近い天津の海から
150kmほど離れた内陸の都市で、
砂漠が近くまで迫っている乾燥地帯ですので、
夏暑く冬寒いという、
気候的にはあまり良い街ではありません。
しかし、今年の暑さは例年と比べても異常で、
長い時間外を歩いていると、
ちょっと生命の危険を感じるぐらいです。

このため、北京市はこの猛暑の中で
働かなければならない人に対して支払われる
「高温手当」を2倍にすることを決定しました。

「高温手当」は屋外の気温が35℃以上の「高温日」に、
屋外または室温を33℃以下に下げられない環境で働く
労働者に対して支給される手当で、
今回、屋外作業者については
最低月60元(780円)から120元(1,560円)に、
室内作業者については
最低月45元(585円)から90元(1,170円)に
それぞれ引き上げとなりました。

これは最近、中国で広がりを見せている
労働者の労働条件改善の動きの中で、
猛暑の中で酷使されている労働者がキレて
暴動を起こしたりしないように、
北京市政府が先手を打った、と見ることもできます。

また、この猛暑のために、
北京ではエアコンが飛ぶように売れているそうです。
家電量販大手・国美電器によれば、
格力(がーりー)、美的(めいでぃ)など
中国の有名エアコンブランドの販売員の中には、
1ヶ月で2,000台も売り、
月給が4万元(52万円)に達している人もいるそうです。
1人で1ヶ月2,000台ということは1日約65台。
商品の説明をしているヒマなどなさそうです。

日本もそうですが、中国でも猛暑になると、
手当が支給されたり、エアコンが売れたりで
景気に良い効果をもたらします。
連日暑いのはたまらないですが、
不動産価格抑制政策が効き過ぎて
景気の先行きに陰りが出てきた中国経済が
これで持ち直すのであれば、
猛暑も良しとしなければいけないのかもしれません。


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2010年7月26日(月)

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