第1284回
結婚のトレンドは「裸婚」から「淘婚」へ

高度経済成長により
どんどん豪華になってきた中国の結婚式。

以前は中国料理店の一部を借り切った
親しい仲間内での結婚披露お食事会、
という雰囲気だった結婚式も、
ホテルの宴会場にたくさんのお客さんを招いて行ったり、
ブライダル会社にプロによる様々な演出を頼んだりと、
中国の結婚式も日本の本格的な結婚式に近づきつつあります。

その反動として2年ほど前に登場したのが
「裸婚(るおふん)」です。
「裸婚」とは、裸で結婚式をすること、
...ではもちろんなくて、
結婚式をしたり、指輪を買ったりせず、
役所に婚姻届を提出するだけの結婚のことです。
結婚式をしたり、指輪を買ったりするおカネがあれば、
結婚後の2人の生活費に充ててより豊かな生活をする、
という非常に合理的な考え方です。

しかし、最近になってそのまた反動として、
「裸婚」ではあまりにも寂しい、という人が増えてきました。
特に女性は日本同様、結婚式を
「一生を通じての最大のイベントの1つ」と捉える人が多く、
いくら合理的でも結婚式無し、指輪無しでは
一生後悔するのではないか、と考えるようです。

ただ、最近の中国ではインフレによる物価高で
結婚費用も結婚後の生活費もうなぎのぼり。
限られた結婚資金を、
結婚式と指輪だけに使ってしまうわけにもいきません。

そこで最近流行し始めたのが「淘婚(たおふん)」です。

「淘婚」とは文字通り、ブライダル用品を
ショッピングサイト「淘宝網(たおばおわん)」で安く購入し、
結婚費用を低く抑えた結婚のことです。
「淘宝網」では実店舗で買うより
ずっとたくさんの店舗の中から商品を選べる上に、
「淘宝網」の中の交流サイトで
他の人の意見や経験談を聞けることに魅力があるようです。

「淘婚」族が「淘宝網」で検索するブライダル用品で
最も多いのはウェディングドレスだそうですが、
その他にも結婚指輪や新婚旅行などの高額商品から
結婚式出席者に配るお菓子の入れ物まで、
ニーズは多岐にわたっているようです。
また、「淘宝網」もこの流れを受けて、
先日、1カラットのダイヤモンドの結婚指輪を、
市場価格の半額以下で販売するイベントを開催しました。

結婚式有り、指輪有り。
でも、「淘婚」で費用を抑えて、
余裕が出た分は結婚後の豊かな生活のために使う。
今の中国の若い人たちは「淘宝網」をうまく利用して、
賢く人生を楽しんでいるようです。


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2010年12月31日(金)

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