第1353
中国版フェイスブック、ニューヨーク上場!

先月、「中国版フェイスブック」と呼ばれる
中国最大のSNS
(ソーシャル・ネットワーキング・サービス・会員制交流サイト)・
「人人網(れんれんわん)」
などを運営する
インターネットサービス会社の「人人公司」が、
アメリカ・ニューヨーク証券取引所に上場しました。

この「人人網」、
元々は2005年に清華大学の卒業生たちが
学生同士の交流のために設立した
「校内網(しゃおねいわん)」というSNSでした。
これは本家・フェイスブックの創立者、
マーク・ザッカーバーグ氏が
当時在籍していたハーバード大学の学生を対象に
フェイスブックのサービスを始めた
直後のことだったのだそうです。

その後「校内網」は中国政府による
本家・フェイスブックへのアクセス妨害が
大きな追い風となり中国国内で利用者数が急増、
2009年には学生以外にも
より広範な人人に利用してもらいたい、ということで
名称を「人人網」に変更し、
現在は登録者数が1億6,000万人を超える
中国最大のSNSにまで成長しました。

中国政府のアクセス妨害によって、
アメリカの本家を尻目に中国国内で
大きなシェアを獲得しているIT企業には、
中国版グーグルの百度(ばいどぅ)、
中国版ユーチューブの優酷(よーくー)、
中国版ツイッターの新浪(しんらん)などがありますが、
全てアメリカのニューヨーク証券取引所か
ナスダックに上場しています。

アメリカ政府が強烈に批判している
中国政府の情報統制の片棒を担ぎ、
本家・アメリカ企業の機会利益を
大きく損なっているにも関わらず、
よくもまぁぬけぬけとアメリカの証券市場に上場して、
アメリカ人のおカネを集めようと思うものです。

ただ、人人公司の筆頭株主は
34.4%を保有する日本のソフトバンク。
2008年に人人公司の前身である千橡互動集団に
3億8,400万ドル(310億円)を出資したのだそうです。
ソフトバンク・孫会長の先見の明に脱帽するとともに、
その企業がどこの国の企業か、ということに
こだわることの無意味さを再認識させられました。





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2011年6月8日(水)

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