第1372回
中国でのドメイン名取得はお早めに

先月、テニスの世界四大大会の1つ、
全仏オープンの女子シングルスで、
中国の李娜(りーなー)選手が優勝しました。
テニスの世界四大大会でアジア人が優勝するのは
これが初めて、という快挙なのだそうです。

これで一躍脚光を浴び、
中国のヒロインとなった李娜選手ですが、
やはりというか、案の定というか、
「李娜人気で一儲け」という輩が出てきました。

先日、李娜選手の名前のピンインである
「www.lina.cn」というインターネットのドメイン名が
10万元(125万円)で競売に出されることになりました。

売りに出したのは全仏オープン前にこのドメイン名を
2,000元(25,000円)で入手した中国人男性。
全仏オープンで李娜選手が優勝した後、
5万元(62.5万円)で譲渡の申し入れを受けたのだそうですが、
「このドメイン名の価値はそんなものではない」ということで、
10万元で競売に出すことにしたのだそうです。

中国ではインターネットのドメイン名は
先着順で使用権が認められます。
このため、中国には将来高く売れそうなドメイン名を
適当に申請して、金儲けを企む輩がたくさんいます。

そうした輩が続出する現象に拍車を掛けたのが、
1999年に自分の名前「偉波(weibo)」で
ドメイン名を登録していた
張偉波(ぢゃんうぇいぼー)さんの一件です。
登録当時、このドメイン名に金銭的な価値はなかったのですが、
10年後の2009年、微博(weibo、マイクロブログ)が
大流行したことにより価値が急上昇、
同氏はインターネットサービス大手の新浪に
このweiboのドメイン名を売って、
800万元(1億円)を手にすることになりました。

また、最近ではアメリカの共同購入サイトの本家・
グルーポンが中国に進出しようとしたところ、
同社がアメリカで使用しているgrouponのドメイン名は、
既に同業の中国企業に登録されていた、
という事件が発生しました。
同社は仕方なく中国での商標名を
グルーポンと発音が似ている「高朋(がおぽん)」にし、
ドメイン名はそのピンインである
gaopengで取得せざるを得ませんでした。

今後、中国マーケットに進出する予定の
日本企業はたくさんあると思います。
中国進出が決まってから、自社のドメイン名を
金儲けを企む輩から高値で買い戻さなくても済むように、
中国でのドメイン名の取得は
今のうちからやっておいた方がよさそうです。


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2011年7月22日(金)

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