第1377回
中国にはびこる腐敗「ゾンビ」

人民の心が中国共産党から離れつつある最大の原因は、
共産党員の腐敗です。

中国の役所に行くと、必ず入り口に
「為人民服務(うぇいれんみんふーうー、
人民のために奉仕する)」と書いてあるのですが、
「何かの冗談ですか?」と言いたくなるぐらい、
カネに目がくらんだ中国の役人は多いです。

最近になって気付いたのですが、
あの「為人民服務」は中国共産党が人民に対して
「「為人民服務」ですよ」と言っているのではなくて、
カネの亡者と化した共産党員が
出勤してきたときに入り口でそれを見て
「そう言えば、中国共産党のスローガンは
「為人民服務」」だった」と思い出して
正気に戻ってもらうためのものであると思い至りました。
それぐらい共産党員の腐敗は激しいのです。

複数の会社経営者の方の話を総合すると、
彼らは小遣いが欲しくなるとやってきて、
どうとでも解釈できるあいまいな法律を元に
いろいろと難癖を付け、どう考えても理不尽な、
法外な額の罰金を宣告して帰っていきます。

そしてその会社の経営者が
「そんな額はとても払えませんので、
何とか許して頂けませんか」と言って、
賄賂の提案をしてくるのを待つのです。
役人の側からしてみれば
「10万元(125万円)の罰金が、
1万元(12.5万円)の賄賂で済めば安いもんだろ」
ということです。

日本ならばこんなときは、その役人の上司や、
その上の監督官庁などに訴えることもできるかと思いますが、
中国の場合、だいたいの場合、
上司も監督官庁もみんなグルだったりしますので、
何をされるかわかったものではありません。
最後の頼みの綱は弁護士さんですが、
弁護士さんも弁護士免許を発給してもらっている
中国共産党を敵に回したくはありませんので、
徹底抗戦してくれるかはわかりません。

昔、「ゾンビ」という映画がありました。
死体が蘇った「ゾンビ」が襲ってきたので、
命からがら逃げて隣の家に助けを求めに行ったら、
隣の家の人も既に「ゾンビ」に噛まれており、
自らも「ゾンビ」になって襲ってくる。
そしてまた逃げて警察に助けを求めに行ったら、
警察官も「ゾンビ」になって襲ってくる、
という救いのない怖い映画なのですが、
今の中国はちょうどこんな感じです。

もちろん、「為人民服務」を地で行く、
まじめな共産党員もたくさんいるのだと思います。
しかし、少ない私の知り合いの中でも結構な確率で
「ゾンビ」に遭遇している人がいますので、
中国共産党員の腐敗は
かなり根深いものであると思われます。

「ゾンビ」を絶滅させるためには、
まずは中国の法律をもっと整備して、
どうとでも解釈できるあいまいな法律をなくすこと。
そして、役人から法律を解釈する権限を剥奪して、
彼らを単なる法律の執行者に格下げし、
中国を「人治国家」から
本当の意味での「法治国家」にする必要が
あるのではないかと思います。


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2011年8月3日(水)

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