第1391回
ダ・ヴィンチ家具産地偽装事件

達芬奇(だーふぇんちー、ダ・ヴィンチ)家具。

これは北京では知らない人がいない高級家具販売会社です。
この会社は上海が本社のようですが、
北京では昔から外国人向けにお土産物を売ってきた
北京友諠商店の1階部分を借りて開店しました。

高級感漂う北京達芬奇家具の入り口

売られている家具もイタリアから輸入した高額なものばかりで、
シングルベッドが15万元(180万円)、
ダブルベッドやソファーは30万元(360万円)以上と
とても庶民が買えるようなお値段ではありません。

ベルサーチ、ランボルギーニ、アルマーニなど、
イタリアの名だたる高級ブランド家具が並ぶ

そのダ・ヴィンチ家具が今、中国で製造した家具を
イタリアからの輸入品と偽って販売していたという、
産地偽装事件で揺れています。

ことの発端は中国国営の
中央電視台(CCTV)が先月放送した番組。
CCTVの報道によれば、
同社が100%イタリア製として販売している家具の一部は、
広東省東莞市の家具製造会社・
東莞長豊家具で製造した上でイタリアに輸出。
これを上海に再輸入して「イタリア製」と偽っていた、
とのことです。

そして、ダ・ヴィンチ家具で30万元で売られていた
ダブルベッドと同じ商品が、
東莞長豊家具のショールームでは
3万元(36万円)で販売されていたのだそうです。

これに対し同社の藩CEOは記者会見を開き、
涙ながらに同社のイタリアブランドの製品は
すべてイタリアからの正規輸入品であることを訴えました。
しかし、その後の上海市工商局の調査では、
今年上半期に同社が上海から輸入した家具110件の内、
1割に当たる11件が国産品で、
中には保税区での輸出・輸入手続きにより、
イタリアに船積されることもなく
1日で「輸入品」となっていたケースもあったことが
発覚しました。

産地を偽装したダ・ヴィンチ家具は
もちろん悪いとは思いますが、
それよりも私が注目したのは、
中国人富裕層の購買行動の未熟さです。

多分、中国の家具製造技術は、
既にホンモノのイタリア製の家具と同等のところまで
追いついているのではないかと思います。
実際、革製品や洋服に関しては、
多くのヨーロッパのブランドが中国に生産を委託しています。

しかし、中国人富裕層が求めているのは、
家具の品質ではなくて、
「イタリア製である」という事実だけです。
「うちの家具は全部イタリア製なんですよ」
と友達に自慢する、その一言を言うためだけに、
高いおカネを払っているのです。

今回のダ・ヴィンチ家具産地偽装事件のニュースを見て、
私もモノを買うときには産地やブランドに惑わされることなく、
そのモノの品質を見極める目を養わなければいけないな、
と思いました。





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2011年9月5日(月)

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