第1395回
消えゆく「ジャパンプレミアム」

先日、我が家のパソコンが壊れてしまいましたので、
新しいものを買うために家電量販大手・
国美電器(ぐぉめいでぃえんちー)のお店に
買いに行きました。

北京には西の中関村(ちょんぐぁんつん)、
東の百脳匯(ばいなおほい)など、
昔の秋葉原のような巨大な電気街があります。
しかし、こうした電気街は零細店舗の集合体であり、
零細店舗は売り子が歩合制であるためか、
しつこく売りつけられてうっとうしい、
というイメージがありますので、
どうしても国美電器や
蘇寧電器(すーにんでぃえんちー)などの
大手家電量販店に足が向いてしまいます。

国美電器にパソコンを買いに行ってまず驚いたのが、
数年前、今回壊れたパソコンを買ったときよりも
スペックは上がっているのに、
価格は大幅に下がっている、ということです。
これは日本でも他の国でも技術の進歩と競争の激化によって
同じことが起こっているのだと思いますが、
激しいインフレが社会問題となっているここ中国でも、
パソコンの値段だけは下がり続けているようです。

そしてもう1つ驚いたのは、
パソコンはスペックが同じならば
日本やアメリカのメーカーのものも、
中国メーカーのものと
ほとんど同じ値段で売られていたことです。

中国の家電業界ではこれまで
「日本や欧米メーカーの高価格品、
韓国メーカーの中価格品、中国メーカーの低価格品」
という棲み分けがなされてきました。
しかし、中国メーカーのブランド力、信用力の向上により、
今後はパソコン以外の家電でも
外国メーカープレミアムはなくなっていくのかもしれません。

私はいろいろなメーカーの機種を比べてみましたが、
スペックが同じならば価格もほとんど同じですので、
あとはデザインで決めるしかありません。
そして結局、中国メーカーである
清華同方(ちんほあとんふぁん)のパソコンを買いました。

本当は日本メーカーのパソコンを買って、
微力なりとも日本企業の応援をしたかったのですが、
日本メーカーのパソコンのデザインはどうにも野暮ったく、
どうしても買う気にはなれませんでした。
数年前までは中国メーカーの家電製品のデザインは全然ダメで、
それこそ買う気にもならなかったのですが、
工業デザインの世界でも中国メーカーは
急速にキャッチアップしてきていることを感じさせます。

今まで日本の家電メーカーは中国市場において、
「日本メーカーの製品である」というだけで高い値段で売れる
「ジャパンプレミアム」を享受してきました。
しかし、中国メーカーが、
技術力、ブランド力、信用力、デザイン力を付けて、
急速にキャッチアップしてきているのを見ると、
日本メーカーが中国メーカーと
同じ土俵で戦わなければならなくなる日が来るのも、
そう遠くないのではないか、と思いました。


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2011年9月14日(水)

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