第1413回
スーパー資本主義国家の手痛い洗礼

持てるブルジョワジーは搾取し尽くし、
持たざるプロレタリアートは搾取され尽くす、
スーパー資本主義国家・中国。

最近、私もその手痛い洗礼受けました。
土地を借りて倉庫業をしていたプロレタリアートの当社が、
土地のオーナーであるブルジョワジーに、
事業が軌道に乗ったとたんに追い出されてしまったのです。

2008年、当社は引越子会社の業容拡大のために、
従来の800uの倉庫が手狭となり、
倍近い広さの1,500u程度の倉庫を探していました。
しかし、当時は金融危機前で景気も絶好調でしたので、
どこの倉庫もいっぱいで
移転先はなかなか見つかりませんでした。

そこで「そんなに倉庫が足りないなら、
借りる側から貸す側に回ろう」と発想を転換しました。

北京市の南東の郊外、
五環路と北京天津第二高速道路の接点付近にある
8,300uの製材工場跡地を17年の長期契約で借り受け、
7棟あった工場の建物を倉庫に改造し
1,500uを自社で使うと同時に、
残りの6,800uを倉庫として貸し出すことにしたのです。

しかし、倉庫業を始めたとたんに
北京オリンピックが始まり北京の物流はマヒ状態に。
そして、ようやく北京オリンピックの
交通規制が終わったかと思ったら、
今度はリーマンショックで北京の景気は冷え込み、
当社の倉庫は長い期間ガラガラの状態が続きました。

それでも、紙のメーカーを皮切りに、
今や飛ぶ鳥を落とす勢いの家電通販大手・京東商城など、
1社1社顧客を開拓し、昨年後半、
ようやく全てのスペースがいっぱいになりました。

そして、これから倉庫への改造費用や
ガラガラだったときの損失を取り戻して、
利益を出して行こう、と思っていた矢先に、
ブルジョワジーである土地のオーナーの
理不尽な値上げ要求が始まったのです。

まるでずっと上空から狙っていた子牛が、
まるまると太ってきたのを待ちかねて
よだれを垂らすハゲタカのように...。





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2011年10月26日(水)

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