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32. あきないはロジカルシンキングだけではあきまへん(ちょっと二休み:2/3)

前回は理屈ばかり考えているわけではないですと申し上げましたが、
日本にいたころを思い起こすと、
ここ数年の日本のビジネス界におけるロジカルシンキング(=論理思考)の流行には
相当なものがあったと思います。

私がコンサルティングファームにいたころは、
確かにロジカルシンキングが商売上の武器でしたから、
徹底的に論理にこだわっていました。
しかも、コンサルタント1年生の時は、自分の論理思考の弱さを嘆いて、
半年で百万円以上のおこずかいをなげうって
論理思考を鍛えるための学校にも通いました。

でも結論を言ってしまえば、ロジカルシンキングだけではビジネスは成功しないですね。

ある程度のロジカルシンキングは
事業を成功させるための必要条件の1つではありますが、
十分条件ではないんですよね。
とはいえ、誤解しないでいただきたいんですが、
ビジネスでの成功を志すなら、最低限の論理思考は商売人の常識ですから
やっぱり意味はあるんです。

ロジカルシンキングには2つの意味があります。
1) 複雑そうに見える現象を紐解き構造的に整理する。→ 単純化
2) 直感の正しさを検証してくれる。→ 検証ツール

ビジネスをやる上で、私がロジカルシンキングが活きるなと思っているのは、
後者の検証ツールとしてです。
例えば自分が思いついたアイディアがあるとします。
私はアイディアを思いつくと徹底的に自分を疑うことにしています。

「おいおい、それでいいのか?」
「そんなことしてお客さんよろこぶか?」
「ほんとか?ほんとか?」

このときに、自分のアイディアをさまざまな角度からチェックするのに
ロジカルシンキングはとても役立ちます。

中国に来て3年、必死にビジネスの道を歩んできましたが
最近はこんな風に感じています。
まあ、もっともロジカルシンキングの効能をうたうよりも、
アイディアを生み出すにはどうするか?を考えるほうが価値があるんですけどね。
(それは次回に)


2007年10月29日(月) <<前へ  次へ>>