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38. お客さんがもどってきた

いよいよ2006年5月1日から、
売上不振打開の最大の打ち手である「新メニュー」がスタートしました。

初日は、私自身そわそわする気持ちでした。
なんだか、店をもう一度オープンしたような気持ちでした。
初日からそんな大きな変化があるわけはないのですが、
それでも店に立ちお客さんの様子をじっと見つめていました。

営業後は店長とミーティングを行い、「お客さんの反応どうだったか?」と確認をしました。
予想通り、
「食べるものの幅が増えた」
「選びやすくなった」
「わかりやすくなった」
「おいしくなった」(!?)
という前向きな声をたくさんもらいました。

「お客さんの反応はいいみたいだな。」
自分に自信を与えるようにつぶやきました。

時を同じくして、封印していた広告宣伝も開始しました。
準備ができていない店をお客さんに紹介しても意味がない。
でも、逆を返すと今なら自分たちを紹介しても恥ずかしくない。
ここで手を打たずに何をやる。
思い切ってなけなしの資金を振り絞りテレビ広告を打ちました。

5月も中旬に差し掛かるころ、効果は目に見えて現れ始めました。
これまで一度も達したことのなかった売り上げの新記録がポツリ、ポツリと出始めたのです。
忘れもしない5月28日、オープン以降初めて売上が1万元を超えたのです!
その日の夜、売上レポートをメールで受け取った後、
目にしたことのない数値の桁数に、「入力の間違えだろ。」と勘違いし店に電話して
「おい、こんな多いわけないだろっ!」と問い詰めたのをよく覚えています。

その後、週末はお客さんの数が目に見えて増えていきました。

252席の焼肉屋。
オープン以来、従業員の数がお客さんの数を上回る日々が続きました。
しかし、3桁を超えるお客さんが来るようになったのです。
ホールからあふれんばかりのお客さんの姿を見ながら、
またもや不覚にも目頭が熱くなりました。

過去数ヶ月、相当数に上る従業員が、
「営業不振」や「企業としての前途がない」という理由で会社を去っていきました。
その一方で、私のやり方を信じついてきてくれた従業員もたくさんいました。
私の厳しい要求にこたえてくれた従業員と、
周囲になにもないこんなところにわざわざ食事に来てくれるお客さんを見て、
感激ひとしおだったのです。

この月を境に売り上げは右肩上がりに上がっていきました。


2007年12月10日(月) <<前へ  次へ>>