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69. 原稿は手書きです
今回のコラムはちょっと小休止的な内容です。

突然ですが、私はこのコラムをほぼ全て手書きで書いています。

私が自分の手を使ってものを書くのが好きになったのは、28歳ぐらいの時からです。
そのとき偶然買った万年筆が、紙に字を綴っていく楽しさを教えてくれました。
その後、数年して、ちょうど
ポケモン=「スーツのポケットにモンブランを挿すこと」
がはやった時期でした。

私は26歳で初めて会社勤めを始めましたので、
当時はまだ社会人2歳でした。
まわりはたった2歳の私が万年筆を使うことにあまり良い顔をせずに、
いつも年輩の方に「生意気だね。」と言われたものでした。

でも、万年筆でものを書いている感覚(当時は特にグラフ等を書いてましたが)、
特に分解してインクタンクにインクを吸い上げていくあの瞬間が、
何か自分の心がリセットされるような気がしてとても好きです。
ちょっと神聖な気持ちになるのです。

私が手書きが好きなのにはもうひとつ理由があります。

なんだか文章が軟らかくなるのです。
温かみが文章ににじむのです。

PCを使ってワードを目の前にしながら直接打ち込んでいくのと、
手書きで書いていくのでは何故だか内容が異なるのです。
私の過去のコラムを見てもそれが分かるかもしれません。

10年前に「インターネットはからっぽの洞窟」という本を書いた
クリスフォードストールという人がいます。
彼はその本を、手書き、ワードプロセッサー、コンピューターの
3つの道具を使って書いていますが、
彼自身も道具によって微妙に書く内容が違うといっています。

コンサルタントの頃、一日中PCに向かって資料を作っていました。
生産性が上がらず苦しんでいるそばで上司に怒鳴られました。

「バカヤロー!PCに向かって考えてんじゃね〜よ。
考えるときは、PC閉じて白い紙にいろいろ書きながら考えんだよ。
PCはそれを表現する道具にすぎないんだよ。」

やっぱり紙と鉛筆ですね。


2008年7月14日(月) <<前へ  次へ>>