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207.誇り高き中国人

ある日、タクシーに乗って会社に向かいました。
行き先を伝えると、そのままタクシーのドライバーさんは
いつもとは違う方向に走り出しました。

仕事上で部下の仕事を
プロセスまで管理することに嫌気がさしておりますので、
同様に、行き方はドライバーさんにまかせる、
と知らんぷりをして乗っておりました。

しばらくすると、急にその女性ドライバーさんは、

「あ〜っ」

という声を出してUターンしました。
また、驚いたことに、

「行き方を間違えた。」

とつぶやくと同時に、メーターを空車状態に戻し、
さらに、元の場所に戻るまでメーターを倒さないのです。

逆にこちらが恐縮して、

「どうしたの?早くメーター倒しなさいよ。」

とつっつくと、

「いや、私が間違えたから、
元の場所に戻ってからカウントをやり直す。」

と言うのです。

日本ではたいした話ではないかもしれませんが、
中国ではこれは、(少なくとも私にとっては)奇跡です。(笑)

あらゆる仕事においてプロ意識を持つことは、
日本人の美徳ばかりだと思っていたのですが、
中国人にもこういう人がいること、
しかもそれは決して収入が高いわけでもない
タクシーのドライバーさんだったことが私を感動させました。

「もしかしたら中国、サービス面でも大きく変わるか?」

と思わせた一瞬でした。

PS
本当は、地震の災害で苦しむ皆さんに
熱い応援メッセージを送りたかったのですが、
どうもわたしはこういう状況では
気持ちが入り過ぎるようでいけませんので、
文末にこっそりと書く程度にしておきます。

「大変なことが多いとは思いますが、
失くしたものを数えるのではなく、希望を数えて頑張ってください。」


2011年3月21日(月)

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