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209.国境とはなんですか?

お師匠には遠く及びませんが、
私もちょくちょく移動をしております。

ここ数日は、成都を出発して、郑洲を経由して長春に行きました。
そこに16時間ほど滞在したあとに、北京で12時間ほど滞在し、
いま東京に向かう飛行機の中です。

飛行機の窓の外に見える青い空と白い雲を眺めながら
ふと先日ある人から聞かれた質問を思い出しました。

「きむさんにとって、国境とはなんですか?」

私は、こんな風に答えました。

「もうすぐ国境がなくなろうとするのに、
その国境について考えるのはへんな話しですけど。
私は国境というのは、
時代と人が勝手に作った空想物だと思っています。
例えば私は、8歳ぐらいのときに親父に
『のぶゆき、お前は日本人じゃないんだ。』
と言われて子供ながらに大きなショックを受けて以来、
日本人か韓国人かという区別を思春期まで考えてきました。

思い起こせば子供の頃は岡崎というふるさとの
小さな街と名古屋を比べて劣等感をもった時期もあったし、
周りをみれば関東と関西という違いにこだわっている人もいるし、
その線引きというのはほんとに人様々なんですね。
一昔前は、土佐藩と薩摩藩とかね。
そうやって、
ひとそれぞれ異なる線引きの基準を突き詰めて考えていくと、
最後は、『自己と他己』になっていくんです。
だから、僕はいつの頃からかひとが頭の中でつくった属性
(その代表選手が国境とか国籍)というやつに
こだわるのを辞めようと決めたんです。
僕は国に対する帰属意識が薄い方で、
国境ということにあんまり意味を見出してないんです。」

長くなりましたが、そんな風に考えているので、
ここ数日の移動も苦にせず、
普段まちの中で道を歩くように空港をあるき、
バスに乗るように飛行機に乗り、こうして移動しています。

世界観は自分の思考が決めるんですね。


2011年4月4日(月)

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