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55.労働者保護に熱い中国、内需拡大の兆し?!
優秀な人材の獲得競争が激しい中国ですが、
2008年に新しい労働契約法が施行されて、
さらに頭を悩ませている社長さんが多いようです。

日本では「派遣切り」の話題でもちきりのようですが、
中国では新しい労働契約法の出現で、日本とは逆に
労働者にとっての労働環境が良くなりつつあるのを感じます。
新しい労働契約法の特筆すべき点は
「経済補償金」と「長期間雇用のリスク」の2点です。

「経済補償金」
新しい労働契約法によって、
雇用主から労働契約の解除を求めた場合、
雇用主が経済補償金を払うことになりました。
これは日本でいうところの退職金のようなものでしょうか。
経済補償金は勤務年数が1年では1ヶ月の給与相当、
2年では2ヶ月分、10年では10ヶ月分になります。

一番問題になるのは、業務に耐えられない人材を抱える場合で、
中国も欧米並みに訴訟社会なので、
試用期間や契約期間が満期を迎える前に、
早め早めに手を打たないと
後々大きなトラブルになってしまいます・・・。

「長期間雇用のリスク」
連続勤務年数が10年を超えた場合、
若しくは3回目の労働契約を結ぶ場合、
無期限の労働契約を結ばなければなりません。
3回目の契約が結ばれたあとは契約満期がないので、
経済補償金を前提とした契約解除の交渉が必要です。

こうした法律を回避するために、
深センのある会社が連続勤務年数10年、
若しくは3回目の労働契約を前にした従業員に
辞職を迫ったというニュースがあって、
中国中の注目を集めたことがありました。
結局、一方的な解雇をした場合は、
通算勤務年数は持ち越しされる、という判決が出たため、
同社の法律回避劇は失敗に終わったそうです。

中国では経済補償金の支払い義務の徹底が始まったばかりで、
日本と比べたら、労働者保護の制度はまだまだこれから
と思われるかもしれませんが、
深センの会社のように
中国で労働集約型の商売をしている会社にとっては、
安い労働力の旨味が少しずつ薄れてゆき、
死活問題に発展しているようです。

中国市場向けに商売を行っている私たちにとっては
内需拡大のよい兆しではないかと期待しています。

<つづく>
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2009年2月6日

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