トップページ > 絶世美人便り > バックナンバー

   毎週金曜日更新

116.未だ未だ北京は大きくなる

先日、私の部屋に大家さんが急に来て、
「この人が新しい大家です」と新しい大家を紹介されました。
そしてその新しい大家は開口一番、
「私はここに住む予定です。
新しい部屋を探すならお手伝いしますよ」
と突然の立ち退きの通知をしてきたのでした。
中国人は財テクに目がなく、
こういうことはよくあることらしいですが、
不意打ちにかなり面食らいました。

よく聞くと、大家の動きは先日の両会(国策を決める会議)で、
北京市長が報告した北京市開発計画に関係がありました。
その内容は、
「北京市は東に位置する通州の開発に集中する。
その為にこの10年、国内外からの資金や優秀な人材をあつめ、
国際都市の中でも
もっとも現代化が進んだ“世界城”へと成長する」
という壮大な計画でした。

この計画が知れるや、通州エリアの地価が上昇し
私の大家も完成する前の物件を大急ぎで押さえるために
現金を用意したのです。

そんな流れとは別に、私は気を取り直して、
これまで住んでみたかった都市部の物件を探しました。
現地にいって不動産屋さんに相談すると、
「お客さんの条件にあうのは、ここら辺ではこの一部屋です」
と信じられないような返事が帰ってきました。
目の前にビルがにょきにょき建っているのに、
適当な部屋が殆どないとは・・・。

部屋が少ない理由の一つは、
ビル外観をみればわかるのですが、
地価があがるまで投資家が内装もしないで
ほったらかしにしてあるビルが多い事。
もう一つは、再開発で立ち退きにあった人達が
優先的に便利なところに住まいを確保していることでした。
それは通州にある古い建物がほぼ全て取り壊しにされ、
再開発が行われることに関係があるようです。

通州はどんなところなのかというと、
地理的に京杭大運河(北京と杭州を結ぶ2500キロの大運河)の
始発点で、また京津唐地区(北京、天津、唐山)をむすぶ
交通要所です。
北京市長の話によると、
通州は新興都市のメリットを生かし、
先輩都市の反省点を生かした都市づくりをするとのこと。
例えば、道路渋滞の少ない広い道路、
汚水処理効率を飛躍させ、水の綺麗な運河都市、
さらに省エネ、環境保全、低炭素社会で
世界一の都市づくりをすることを宣言しました。

なんとも魅力的ではありませんか。
どこまで実現するか楽しみですが、
アジアはもちろん世界中から人があつまる流れが
止まらなくなるのではないかと思えてきます。
北京はオリンピックを終え、万博に盛り上がる上海、
開発の盛んな内陸に注目があつまりますが、
北京の隣にこんな大きな都市構想を打ち出すあたり、
つくづく中国の経済は奥深いと思わざるをえません。

<つづく>
絶世の活動情報 : www.zessei.com


2010年4月9日

<<前へ  次へ>>