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199.北京五輪後の汚染

私が住んでいる北京は様々な商品やサービスであふれていて、
暮らしやすいと感じますが、空気汚染だけはどうしても気になります。
ニュースを見れば、
「北京の死亡率のトップは肺がん。」
「今日は濃霧発生。汚染がひどいところもあり。
出歩かないほうが良いでしょう」など
不安になる知らせがいっぱい。

最近のニュースでは「PM2.5」、「PM10」
という見知らぬ数値が目立ちます。
これは大気中を浮遊する微粒子(2.5μm、10μm以下)のことです。
この値が高いと、目に見えて靄がかって視界が悪くなります。
粒子が細かいほど肺の奥深くまで潜り込むので、
喘息や気管支炎を引き起こし易くなります。
中でもPM2.5は死亡者数との相関関係が強く見られる数値です。

このPM2.5値が最も強く見られるのは、
北アフリカと中国の華北、華東、華中地域の全域で、
中国のこれらの地域はサハラ砂漠よりも値が高いようです。
北京は通常PM2.5が60~70で、10月末に霧がかって
一寸先も見えなくなった時には145を記録していたそうです。
安全な環境基準値というのはそれぞれの行政によって違うようなのですが、
日本やアメリカでは15,WHOでは10とされているのですから、
北京の汚染がひどいことがわかります。

私は幼い時に小児喘息で苦みましたから
北京ではもっと悲惨だなと感じます。
中国では北京五輪の前から環境対策を大々的に進めてきましたが、
北京ではまず「粗」粒子を減らす努力を続けた結果、
PM10の値は年々減少しているそうです。
しかし、私たち居住民にとって
目に見えて改善しているように見えないのは、
微粒子への対策は未だ不十分で
PM2.5は毎年3~4%増加しているというのです。

北京も発電所の環境対策など課題をあげて、
一段階ずつ改善しているようなのですが、
マスコミをはじめとして、
目に見える効果が現れていないことから
国際環境基準を持ちだして、盛んに議論を行なっています。
東京都はディーゼル車規制などの効果もあり、
近年では環境基準値を満たしているそうですが、
北京も晴ればれとした天気が続く日が早く来て欲しいです。

絶世の活動情報 : www.zessei.com


2011年11月11日

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