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205.富の流通はまだまだ

日本人が中国で活躍するには、
付加価値のある仕事をすることが必須ですが、
それを評価してくれる中間から高所得層の厚みも鍵になります。

先日、OECD(経済協力開発機構)がこんな発表をしていました。
貧富の差は、富裕層トップ10%と困窮層10%の収入差を
基準にするということですが、全世界の平均は9倍。
つまり、富裕層が稼ぐ合計額は困窮層の9倍。
先進国ではドイツが6倍で貧富の差が小なく、富の分配が進んでいる。
イギリス、日本、韓国、イタリアは同程度で10倍。
アメリカは14倍ということです。

中国はというと、30倍とも50倍とも言われています…。
北京に住んでいると、高級車がたくさん走る中、
電車やバスに乗ると、ツルハシやハンマーを持った
泥だらけの出稼ぎ労働者に出会うので、
私もそれくらいあっても不思議ではないと実感します。

中国では23%、2.4億人にあたる人が中間層と言われています。
消費金額でいうと、一日10米ドル以上消費できる人は
1. 5億人程度で、この人口はここ数年は上げとまりで、
変化していないそうです。
確かに、中国の最低賃金が上がっているのですが、
高齢化による若者への負担、家賃や生活費の上昇により
中間層と言われている人の生活は楽ではなく、
「偽中産」(偽中間層)などと呼ばれています。

中国は「縁故経済」と呼ばれることもあるとおり、
非合理的に莫大な財産を成す人が富を独占するので、
生活に窮する人達によって、ニセモノ商品や
安全を脅かすような粗悪な商品が創り出され、
中国の悪弊を生み出しています。

中国政府は、大規模減税、医療費負担の減少、住居の保障、
農村への利益分配等の方針を打ち出しており、
つい最近も個人所得税の課税対象が二千元から三千五百元に
調整されたばかりですが、中間層のレベルを上げるには、
さらに3000~5000億元規模もの思い切った減税政策が
必要といわれています。

中国では、先に富めるものは十分に豊かになりました。
庶民へ富の配分を優先させるような方針に
大きく舵を切って欲しいものです。


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2011年12月23日

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