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10.目覚めよ!農民たちよ

僕が産地の人たちにコーヒーを飲ませようと四苦八苦するのは、
僕のおせっかいや自己満足でもありますが、
彼らにコーヒーの品質の良し悪しを
分かってもらいたいからでもあります。

どうせ自分が飲むわけじゃないし、
どのように収穫して加工しているかまで
誰も分かりっこないし、
それでも買ってくれる連中がいるんだから、と
彼らもいい加減になるに決まっています。

雲南の南の産地では大手のネスレ社を筆頭に、
現地の人たちに品質向上の指導や教育をしているとかで、
生産意欲も高まってきていると聞きます。

僕のいるエリアでは進出当時、
僕たちのやり方は全てが農民たちにとって初めてのことで、
最初は鼻で笑われたり、作業の抵抗にあったりしたものです。
しかし、僕たちのグリーン豆は誰が見ても彼らの豆とは明らかに異なる美しさで、
ざまあみろと心の中で叫びながら、ひたすら黙々と作り続けました。
彼らも最初は半信半疑でしたが、
“あの日本人のところは結構いい商売をしているらしいぞ”
とどこからともなく噂が流れ始め(火のないところから煙がたった感じですが)、
自分たちで率先して収穫の質を高めたり、
グリーン豆の選別を始めるところがちらほらと出てきました。
その方が高く売れる!と一部の人たちが気づいたのです。

これはとても良い傾向だと思います。
確かに、手間をかける分だけ彼らも値段を吊り上げてくるでしょう。
しかし良いものは高く売れる、という当たり前の原理を実体験として知っていけば、
産地全体が活性化し、いつしか良質コーヒーの産地として
世界に認められる日が来るかもしれません。
品質向上の努力もせず、コーヒーを飲んだこともないのに、
「オラのコーヒーは産地で一番品質も良くて香りも最高だべ!」
と言い切る寝ぼけた農民たちを目覚めさせるためにも、
僕たちが率先して良いコーヒーを作っていく必要があるのです。


2007年5月18日 <<前へ  次へ>>