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44.豊かさは変化なり

この数年で、産地の人たちも随分豊かになってきたなあ、と感じます。

中国奥地の農村地域といえども、ここの人たちはもともと明るく大らかで、
悲壮感漂う貧しい雰囲気はこれっぽっちもありません。

それでも最近明らかに変わってきたと思うのは、
まず服装が洗練されてきたことです。
身近なスタッフでも、
洒落たダウンジャケットやトレンチコートみたいなのを着始めたので、
最初はよそ者が紛れ込んだのかと思ってしまいました。
市内まで出ると、数年前と違う人種が歩いているのでは、と思うくらい、
街行く人の服装がお洒落になりました。
この3~4年の間、この地でほぼ同じ服装をしているのは、
ついに僕とご老人だけになってしまったかも、と思ってしまいます。
(別に僕はそんなに貧しい訳ではありません。念のため。)

携帯電話も多くのスタッフが、僕よりも良いものを使っていますし、
加工場から一歩外にでると、新車のトラクターがバンバン走っています。
省都昆明に向かう飛行機も、
3~4年前は、週に2~3便しかなく空席が目立っていたのに、
今は日に2~3便もあるのに、席が取れない時もあります。
ほんの少し前まで、車に馴染めず、
走行中の車窓からゲロゲロと嘔吐していた農村の人たちが、
今では涼しい顔して飛行機に乗っています。
(同一人物とは限りませんが。)

そして、かなり意外だったのは、
コーヒーをチェリー(実)で売りたがる人が増えてきたことです。
といっても全体から見ればまだまだ極少数なのですが、
今までは自分たちで加工したパーチメント(殻付豆)で取引する農家ばかりで、
「チェリーで売ると損をする」、と根拠もなく思い込んでいる人がほとんどでした。
それが、
「他に忙しくなったから自分で加工する時間がなくなった」とか
「農場を拡げすぎて、自分の家だけでは加工しきれない」とか
ただ単に「面倒くさくなった」とかとかで、
それまでの取引習慣をこうもあっさり変える人がでてくると、
「今までのあれは何だったんだ!?」と少し拍子抜けしてしまいます。

地域の発展は目まぐるしいものがあれど、
人々の意識はそう簡単には変われない、などという事は決してなく、
自分に都合の良い変化であれば、いくらでも柔軟に対応できる
というのが、彼らのすごいところかもしれませんね。


2008年1月25日 <<前へ  次へ>>