前回お話したように、
雲南省の最大産業はタバコで世界一の生産量を誇りますが、
その他には天然ゴム、蔗糖、茶葉などの生産が全国の上位に位置しており、
安定した産業となっています。

雲南省では、さらに競争力の高い新産業体系を構築するために、
各種産業パークや生物科学技術開発基地等の建設に取りかかっています。
漢方の宝庫とも言われる雲南ですが、
天然薬材を主とした現在医薬や健康食品などの開発も、
その重要項目とされているようです。

また1999年昆明で開催された世界花の博覧会に象徴されるように、
花卉産業は雲南省を代表する産業のひとつで、近年急速に発展しています。
（1994年からは花の生産量が中国一。）
2006年までに省内の花卉栽培面積は２万ヘクタールとなり、
国内市場占有率80％、総生産額は72億人民元、
輸出額は6500万ＵＳドルにも及び、
日本、韓国、アメリカ、ドイツなど40ヶ国以上に輸出しています。

雲南特有の地勢と気候のため、コロンビアやケニアと共に
世界でもっとも花の栽培に適した地域と言われ、国際的にも注目を集めており、
省内で外資企業の進出が最も多い（60社強）産業のひとつとなっています。

ちなみに昆明の翠湖賓館に出店しているＱ’ｓカフェでは、
日本人の専門家に委託して、毎週雲南の美しい花で飾りつけをしてもらっています。

また、雲南では豊富な生物資源を有効利用するべく、
果実や野菜・ジャガイモ等の優良なグリーン食品の生産基地や
加工産業の拡大を目指した、バイオ産業の開発に取り組んでいます。
雲南省の生物資源開発局の発表によると、
高品質の果物・野菜類の大規模生産と高度な加工技術を発展させて、
雲南省を無公害の果物・野菜生産基地にしていく計画があるようです。
この計画によれば、2010年には全グリーン食品の生産額は
1000億元に達する見込みだとのこと。

農作物の生産量と品質の良さが安定し、
輸送等のインフラが整備されていけば、
近い将来「雲南産」というひとつのマーケットが
確立する可能性があるのではないか、と感じています。