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4.赤い宝もの

皆さま、「コーヒー」というと何色をイメージされますか?

コーヒーをよく飲まれる方には、
焙煎豆や飲むコーヒーの「茶色」のイメージが強いと思います。
生産地の私たちにとっては、
コーヒーは真っ赤な実=「赤い宝もの」なのです。

赤い実がさくらんぼに似ているので、
コーヒーチェリーと呼ばれたりもします。

私たちの農園では、
今年も10月からコーヒーチェリーの収穫が始まりました。
コーヒー実は標高の低いところから少しずつ赤くなりはじめ、
収穫は12月までの3ヶ月間続きます。
雑味のないおいしいコーヒーを作るためには、
真っ赤に熟した実だけを収穫しなければなりません。
コーヒーの実は天然のもの、これが結構難しいのです。
農園で働く10人のスタッフ全員が共通の意識を持てるように、
邱公館独自の「コーヒーの果実収穫基準」を決めています。

地元では、赤い実も
まだ熟していない緑色の実もすべて一緒に収穫するため、
邱公館独自の基準に当てはまる特訓を、
収穫の1週間前から始めます。
収穫の1週間前は写真を使っての基準の説明や、
収穫に使う籠の分別方法等の会議です。
収穫前日は、実際に農園で熟した実を前に説明をして、
スタッフの質問に答えていきます。
そして収穫当日、基準が彼らの習慣になるまで、
私たちと農場主任が
スタッフ一人一人の収穫作業をチェックしていきます。
収穫作業が慣れてくれば、
徐々に作業チェックの回数を減らしていきますが、
収穫袋にはひとつひとつ収穫者の名札が張られ、
加工場に入荷する時に毎回厳しい品質管理を行います。
そこで問題が見つかれば、
個別に農場主任が指導にいく流れになっているのです。

農作業は単純な仕事が多いのが特徴です。
誰でも、一回限りなら完璧に作業をこなせますが、
その質を長期間持続させることが大変で、
とっても重要な事なのです。

食卓で焙煎豆を見ながら、
このコーヒーの実は何色で収穫されたのだろうと、
あまり考えませんよね。
コーヒーの果実の色の統一は、コーヒーの美味しさ引き出す、
まず初めの秘訣なのです。


2009年12月30日(水)

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