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44.収穫期に入りました
収穫は標高の低い産地から始まります。
コーヒーの木は紅葉とは逆に、
山の裾野から山頂に向かって色づいていきます。
真っ赤に熟したコーヒーチェリーは一粒一粒丁寧に手でもぎ取り、
籠の中に集めます。

品種によっても熟す早さが変わります。
原種に近いティピカの方が、カチモールより早く熟します。
ティピカは完熟してから黒く変色するまでの収穫適期が
3・4日と短いのが特徴です。
広大な農園の中で収穫適期に達した樹を逃さないように
日々の管理に神経を尖らせています。

ティピカが群生して残っている他の農園の状況を
把握するのにも最適な時期です。

今年は昨年の大干ばつの影響で
雲南地方の農作物全般に不作となっています。
卸値も高騰しています。
特にパパイヤやマンゴー、竜眼といった果樹や
多年性植物の被害が甚大です。

コーヒーも例外ではありません。
保山一帯の産地では干ばつの影響に加え、
弱った樹に病気が大発生しました。
大量のカイガラムシが樹液を吸い、
その排泄物が原因で葉や実が黒いカビに覆われてしまう
「すす病」です。
熟す直前に実が落ちてしまい商品になりません。
生産者にとってこれほど悔しいことはありません。

今年のカチモールのチェリーの初値が
すでに去年の1.5倍、1kg3.8元になっていると
買付業者が眉をひそめています。
私たちの農園では今のところ順調に収穫が進んでおりますが、
年初めにだした予想収穫量をやや下回りそうです。
ここから収穫の終わる1月まで、気を引き締めて臨んでいきます。

写真はリス族の使っている手作りのコーヒーポット。
中国で初めてコーヒーが植えられた雲南省の浜川には、
樹齢100年を越す古いコーヒーの樹が残っています。
100年前にフランス人宣教師が広めたベトナム式の飲み方が
道具と共にひっそりと受け継がれてきています。


2010年10月6日(水)

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