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14. 春のトスカーナ<その壱>

エノテカでの修業(NO,10・11参照)を半年過ごし
イタリアで料理修行を始め、2001年2月の時点で丸一年を向かえました。
イタリア料理人なら一度は経験しておきたい
「秋のピエモンテ」をエノテカというレストランで最高のシェフ、
ダヴィデと共に仕事が出来た事が最高の幸せでした。

しかしイタリアへ来てまだ一年、
もっと各地を見て廻りたいという私の意見をシェフに相談すると、
シェフ「当然だろう!行きたい場所は何処だ?何処で働きたい?」
「秋のピエモンテ」の次は「春のトスカーナ」と決めてはいたけど
実際レストラン情報は無知に等しく決め兼ねている話をすると、
シェフダヴィデがトスカーナには今凄い勢いがあり
ミシュラン二つ星のレストランで
シェフダヴィデも2回ほど食事に行ったという処が在ると教えてくれ、
「一度見に行き食べてきなさい!」と言ってくれました。

あちらのシェフにはダヴィデから連絡を入れて貰えるという事で予約をし、
いざトスカーナに向かう事となりました。
その頃私と同じレストランで働いていたもう一人の日本人コック
石川さん(通称アツ)と二人でトスカーナへ行くことになり、
どうせ行くなら冒険をしようと思い、
住んでいた場所からバスで40分のアスティという町でレンタカーを借り
車で向かうことにしました。

当時私は運転免許証は有りましたが、国際免許証を持っていなかったので
運転はアツさんに任せ、私はナビゲーションをすることに。
北部ピエモンテ州から中部トスカーナ州は片道ざっと250〜300kmほどなので
そんなに距離はありませんが、なにぶん私がナビゲーションをするので道に迷う迷う。
朝一にピエモンテを出てその日の夜にレストランで食事の予定だったので、
時間に余裕が無く、それでも夕方にはトスカーナ州に入れたのですが
途中ものすごい霧に囲まれ、気がつけば、
塔の町としても有名なサンジミニャーノへ迷い込んでいました。

車で入ってはいけない場所への侵入などもあり完全に迷子状態。
最後の手段、町の人への聞き込みを始め100m間隔で聞き込みしたことを憶えています。
目的地のColle di val d'elsa(コッレ ディ ヴァルデルザ)という町に着き、
時間ギリギリRistorante ARNOLFO(リストランテ アルノルフォ)へ
到着することが出来ました。


2007年9月5日 <<前へ  次へ>>