★ S.F.さんからのお便り (10月8日付)

邱 世賓 先生

小生、誕生日が7月23日です。
こちらではかに座になっておりますが、
しし座になっていることが多く見受けられます。
どちらが正しいのでしょうか?


★ さいぱんさんからS.F.さんへ

カレンダー通りにお空が動いてくれれば問題はないのですが、
そもそも星たちは
とても複雑かつ個性的な周期と軌道を描いて暮らしています。
私たちが現在使用している暦(太陽暦)は
4年に1回閏年を加えることで、まあ何とか辻褄を合わせているし、
昔使われていた旧暦(月の暦)は
毎年天空の動きに合わせて正月が変わったりしています。
それでもチビチビずれて何百年に一度は
はっきり調整しなければならなくなります。
つまり、人が作った暦はどこまで行っても大ざっぱ、
宇宙はもっとファジーということでしょう。

だから7月23日はかに座か、しし座か
というご質問に正しい答えはありません。
ホロスコープは、
あなたがオギャーとこの世に生をうけた
瞬間の天空図を平面に置き替えたもので、
その時に太陽がどの星座を通過しているかで星座が決まります。
そして、太陽は年どしにより、
微妙にスピードを変えて進んでいると考えて下さい。
例えば、1935年には7月24日、
東京生まれの場合午前4時52分以降に生まれた人がしし座、
それより前の時刻ならかに座になります。
1969年には7月23日午前10時24分にしし座入り、
この年の人はこの時刻を境目に星座が変わると言うことになります。

占星術は遥か昔、
メソポタミア時代から伝わるもので、もともとは天文学と一体でしたが、
人が身近で利害に関わることばかり知りたがるものだから
“賢い母が天文学、愚かな娘が占星術”と軽んじられるようになりました。
つまり同じ空を見て、
ノーベル賞をもらう偉人もあれば、
“あれー、火星の位置が悪い。だから恋人が浮気したんだ!”
と怒る人もいるという訳です。
それでもアメリカは今でもロケットを飛ばす際には、
星占いも準備の内だそうですから面白いと思いません?
ご自分の星座を確かめたかったら、
本屋か図書館で太陽の運行表つきの本がある筈ですから、
ぜひご覧下さい。

さいぱん

2002年10月16日(水)

 
ホーム
戻る