★ T.S.さんからのお便り (11月8日付)

まことに恐縮ですが、よかったら教えてください。
数年前にラジオの日曜喫茶室という番組の中で、
お父様の作品の言葉の中で
「すべての道は天竺へ通ず、さらば悟空よ でたらめにゆけ」
というところがすきなんだとお話になっていたと記憶しています。
きわめて深い示唆にとんだ言葉として、記憶に留めています。
が、その言葉がどこにあるのか確かめられずにいます。
よろしければ教えて頂きたいのですがどうでしょうか。


★ さいぱんさんからT.S.さんへ

はい。説明不足のせいで長年余計なお手間をおかけしました。

「道という道は天竺に通ず、さらば悟空よ 出鱈目に行け」
は文中に出てくるのではなくて、『西遊記』(邱永漢著・中公文庫)に
父がサインをする際に添える文章のひとつです。
今でも一番好きな言葉ですが、
年々、確かにデタラメ度が増している父にしても
天竺は遥か遠く、影も見えないというのが現実のようです。
つまり、悟空とともに幾年にも渡って暴れ続けてもいいってことかしら…
と最近は覚悟ができてきました。
そして、目覚めの「覚」が荒い息を使い果たして「空」になった頃、
あら?と思ったら天竺は目の前というのが理想です。

さいぱん

2002年11月20日(水)

 
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