国際結婚してフランスの田舎に住んで

パリだけがフランスではありません

第149回
いつまでも女、いつまでも男

20年ほど前、『宣伝会議』という月刊誌で
毎月気になるCMを2、3本取り上げ、
制作者の取材も含めて紹介していたことがあります。
だからテレビCMを見るのは好きで、
特に国が変わるとCMにそれぞれの「らしさ」が出るので
面白いと思っています。

フランスのCMは大きく分けると、
流れるような美しい映像に訴えるものと
ユーモラスなものがあります。
最近見たなかにこんなのがありました。

パリ?アパートのテラス。
60代半ばの銀髪女性が花に水をやろうとして、
向かいのテラスで日光浴中の若い素敵な全裸男性に気付く。
携帯で相手の番号を調べて電話をします。
彼がその電話に答えながら立ち上がる。
その姿をテラスに設置した望遠鏡で眺めながら
「あなたが今度お隣になった方ね…」
と話が続く。
携帯を手にする時、
そばにあった御主人の写真をひょいと裏返しにしたり、
茶目っ気たっぷりの電話番号案内CMでした。

こんな表現、日本では無理?
だいたい男女関係に軽い遊び感覚がある
フランスゆえかもしれません。
さらに気に入ったのが、
若い男性に目を奪われる銀髪も豊かな初老の女性。
さすがに女はいつまでも女で、男はいつまでも男の国だな、
と感じた次第です。

いつまでも女、いつまでも男という意味で、
私は身近な義理の両親を見ていていつも感心させられます。

たとえば毎週水曜日、
ジョジョとの昼食井戸端談義では、
現役「女」なればこその発言にしばしば驚かされます。
こんな話、祖母とも母ともしたことなかったなぁ、なんて。
それに彼女の基礎化粧品消費量は私と何ら変わらない…
いやずっと高いクリーム類を使っているに違いありません。

それに義父。
第5960回で彼と息子、私の3人で行った
モン・サン・ミッシェル1泊旅行を取り上げましたが、
その時気付いたことがあります。

80も半ばに近い年ゆえ日本的に労わろうとしたら、
どうも違うのです。
彼が女である私を助けるのは当然でも、
その反対は許せないというか、
労わられることに居心地の悪さを隠せないようでした。
いやー「男」なんだなぁ、と思ったものです。

こうした男性の行為の根底には、
常に女性を弱い立場に置く気持ちがないとはいえません。
しかしフランスの女性たちはそれをうまく利用しているのかな、
なんて思うこともあります。
だから彼女たちは女性的なエレガンスに磨きをかける?

いずれにしても、それぞれの気概を持っていたい。
それでこそ、
いつまでも女、いつまでも男でいられるような気がします。


←前回記事へ

2005年12月28日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ