上海、深セン市場のオープン当初から
ずっと中国株にかかわってきた人の物の見方です

第39回
中国から世界へ・・・

先日、中国のパソコン最大手の
「聯想集団(レノボ)レッドチップ 0992」が、
IBMのパソコン事業を買収するといった、
ビッグニュースが飛び込んできました。
中国IT企業による海外企業のM&A(買収・合併)としては、
史上最大規模になります。
現在、世界のパソコンの市場シェアは
レノボが2.2%で第8位、
IBMが5.6%で第3位です。
この買収によりレノボが、
世界第3位に躍り出ることになります。

買収額は12億5000万米ドル
(約1300億円)になります。
さらにIBMのパソコン事業の負債
5億米ドルも引き継ぐことになり
総額17億5000万米ドルになります。
買収金額のうち、
6億5000万米ドルは現金で、
残りの6億米ドルは新株発行で支払います。
これによりIBMは
レノボの株式18.9%を手に入れ、
第2位の大株主となります。
また、買収に伴う人事異動も発表され、
レノボの楊元慶CEOが会長に就任し、
IBMの副社長Stephen M. Ward氏が
CEOに就任する人事を発表しました。

今回の買収について様々な見解があります。
買収金額が高く、
採算が合わないのではないかということや、
この買収劇の隙に
他社にシェアを奪われるのではないかといったことです。
しかし、重要なことは
このような目先のことではなく、
中国のIT企業が
世界三大メーカーの一角になるということです。

ご存知のように中国の経済・企業が、
世界の経済活動にとって
無くてはならない存在になっていますが、
残念ながら中国ブランドはまだ、
確立されていません。
日本には「TOYOTA」や「SONY」など
世界に通用するブランドがたくさんありますが、
中国にはあまりありません。
中国株に興味をもたれている皆様は、
中国の企業をいくつか挙げてください、
といった質問にはすぐ答えられるでしょうが、
そのほかの方々には
なかなか難しい質問になってしまうのが現状です。

今回の買収によって
この中国ブランドを確立する、
ということが一歩近づいたことになります。
もちろん、IBMのパソコン事業買収が
ゴールではありません。
むしろこれからが、
「レノボ」の新しい出発点になるのです。
今後はIBMの営業網、知名度を活かし、
「レノボ」のブランドをどれだけ浸透させていくかが、
課題でもあります。

12月9日の株価は、
売買停止前の株価の3.73%安い、
2.575香港ドルで終わっています。
PC事業買収に対しての不安感と新株増資で、
一株利益が希薄化することが、株価に現れたようです。
今後、株価がどのように推移していくか、
予想するのは難しいですが、
中国企業の中で世界的なブランドを確立する可能性のある
同社への投資を考えてみてはいかがでしょうか。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

←前回記事へ 2004年12月10日(金) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ