ロボット化の本当の狙いは資金効率
こうした生産の変化を大抵の人々は労働力の排除による労賃の節約と単純に思い込んでいる。三百人使っていたところが六人ですむのだから、六人に倍の給与を払っても十二人分の給与ですんでしまう。あとは機械設備の金利負担や減価償却の運転経費が、三百人を使って生産した時と比べてどうかということによって経済的かどうかを判断する。
しかし、山崎さんにいわせると、この設備は「生産性をあげる設備」ではなくて「資金効率をよくする設備」だから、工場長よりも、経理担当の重役にきいてもらったらすぐに理解してもらえる性質のものだそうである。
山崎さんの工場自体がロボット化をする前は、材料を運び込んで、売れる商品として工場から運び出されるまでに四カ月かかった。約四カ月分の商品の仕掛り品が工場内に滞留していたのである。経理担当の常務がよく「社長、お金が足りなくなります」というので、貸借対照表をもってこさせて、数字を確かめると、何億円もの預金が記載されている。
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