流れ去る時間の活用術
東京や大阪の街づくりがいかに非能率的にできているかは、東京や大阪に住んでいる人にはわからない。製紙会社の工場の周辺に住んでいる人に、あの臭気がわからないようなものである。
私は月のうちに一週間か、十日くらい、台北に行っている。台北で人に会う約束をしても、十分か、二十分くらい前に家を出ればよい。向こうから来てもらう場合でも、オフィスからオフィスまですぐだから、一日に何人、何十人の人とでも会うことができる。台北市は人口二百万人、周辺も入れると、四百万人の都会であるが、街が縦型につくられているので、あまり遠くまで行かないですむ。
ところが、東京や大阪は横へ横へと拡げてきたし、点と点をつなぐのに、同じ地面を走らなければならないので、乗り物に乗っている時間がやたらに長い。台北の人が東京へやってきて、私に、
「台北では午前中に三人、午後に三人くらいは人を訪問できますが、東京に来ると、一日に一人訪問するのがやっとですね」
と感想を述べた。なるほど言われてみれば、私のように都心部に住んでいる人間でも、自動車に乗っている間に、三十分も一時間も時間をとられてしまうから、こちらから人を訪ねる時は、午前中に一人、午後に一人くらいしか訪問することができない。人と話をしている時間よりも、うっかりすると、車に乗っている時間の方が長いのである。
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