たとえばスケールの小さい印刷屋は仕事がやたら煩瑣なのに比べて収入が少なく、人件費と新しい設備投資に追われて業績不振におちいってしまうのがこの十数年来の傾向であった。だから私は相談を受けるたびに廃業転業をすすめた。
ところが、廃業しそこねて倒産した人が窮余の策として名刺屋に転業し、会社の名刺を専門に仕事をとってまわったところ、何百人も従業員を抱えている企業からは、月に十万円単位の注文をもらえることがわかったので、アルバイトを一人使うだけで、月に二百万円の商売をこなせるようになった。
またある人は無一文からイラストの下請け業をはじめたが、一番はじめに自分一人でやった時は、自分の給料のほかに五百万円も儲かったのに、二十五人も人を使ったら、売り上げの七割を人件費に食われて、仕事は多忙をきわめているのに逆に赤字に転落してしまった。どうしてこんなことになったのか、いくら考えても腑におちないので、二つの会社に分割したら、また元へ戻れるでしょうかと私に相談をかけてこられた。私は社員の二分の一を独立させて下請けにまわってもらい、労賃に払う金額は今の半分に減らし、自分は営業に徹すれば、会社は一つで、最初の頃の三倍くらいの利益があがるようになるだろうと、数字と睨み合いをしながら説明をした。
以上、いずれも決して先端産業に属する仕事ではないが、私にいわせれば、新しい型の成長産業である。何も時代の先端を行く成長産業である必要はない。仕事をとりに行くと、案外、簡単に仕事をもらえて、しかも消耗品を扱う仕事であれば、飯に困る心配はないのである。
<終わり>
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