"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第58回
北京オリンピック広告レポート

今回の白馬戸外媒体(0100)の訪問に伴い、
弊社の北京スタッフが
オリンピックに関する広告の状況についてレポートをくれました。

オリンピック直前の規制強化として
北京の屋外広告市場では
前例のない整理整頓を行われているようです。
首都空港高速道路の屋外広告が全面的に取り除かれたほか、
最近、塗装されていたバス車体の旧式広告は取り除かれ、
車体と車内の医療広告も全部禁止されました。

これは許可もなく
勝手に看板を立てている零細業者が多いためで、
これらの業者はたった
1〜2枚の看板だけで十分経営できているといいますが、
今回の措置でこれらの零細企業は一掃されると思われます。
そして今後は新しい統一的な規格での広告塔が
街を埋めることになり、
屋外広告板の経営権は入札、競売によって取られます。

今回の整頓以降の屋外広告板枚数は
少なくなって売り手市場になるので、
入札・競売価格も高くなると見込まれ、
資金豊かな企業が優位に立って中小企業が淘汰されるでしょう。
これまでバス停主体だった白馬戸外は
北京の首都空港高速道路の広告看板にも着目し始め、
それに関するプロジェクトの交渉も進行中らしいのです。
北京の超大型LED広告では、
一枚の看板から
月に数百万元の売り上げが貢献できるとのことです。

中国工商新聞によると、
2000年シドニーと2004年アテネでのオリンピックの年、
世界の広告支出成長率はともに3%上がったとのことです。
主催国の成長はさらに上回り、
2000年、オーストラリアの
広告支出額の成長率は7.8%(1999年は3.9%)、
2004年アテネオリンピックでは、
トップサプライヤーからの広告賛助金が6億米ドルを超え、
1984年のロサンゼルスオリンピックの30倍にも膨れ上がりました。

CTR市場調査社の予測によると、
オリンピック前後に広告宣伝支出を増加する企業は80%超え、
その中で、
オリンピック開催年の一年〜半年前に
広告支出額を増加する企業は42.4%です。
従ってカウントダウンが始まった今年夏から来期にむけて、
広告市場は一層盛んになると見込まれます。

白馬戸外のマーケティングマネジャー譚衍斌氏の話によると、
オリンピックが開催される前に、
政府は屋外広告に対する大規模な整頓活動を行っているが、
白馬戸外には影響はなかったとのことです。
白馬戸外は北京で6500ものバス停広告経営権を持っており、
北京市の90%のシェアを占めています。
価格面についても2008年北京地域での広告定価は
平均的に50%上昇すると譚氏は見込んでいます。

 
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2007年12月27日(木)

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