自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第3回
お店のコンセプトと食後の満足感

豪華な内装、高級食材を使ったおいしい料理、
心地よいサービス、おいしいワイン、そして支払額もとても安い。
このように、すべての理想の条件を満たしている
お店は存在しません。
費用対効果を考えて、どこかで価格との折り合いをつけた
コンセプトで料理店は計画されます。

1、店構えや内装をシンプルに押さえ、大幅な利益を上乗せず、
適度な食材だけど手間暇かけて造りお客に安く提供する店。
2、店構えや内装を豪華にして、厨房やホールのスタッフも
充分雇い、最高の食材をつかって手間暇かけて
客に提供する代わりにそれに見合った高額の請求をする店。

仮にこの両店ともに食後に満足感を持ったとしても、
前者と後者の店で感じる「おいしさや満足感」は
まったく違ったものとなります。

つまり、支払い終わった時の満足感
(これを私は『食後感』と言っています)を判断する時、
店のコンセプトによって「おいしさ」や「心地よいサービス」の
判定基準は上下するのです。
年に数回の記念日に、「グランメゾン」で豪華に食事をする時は、
高額支払いを覚悟していきますから、
それなりに高級食材と非の打ち所のないサービスは
必要充分条件です。
勿論、おいしいことは言うまでもありません。
つまりハードルはかなり高い。
月に何回か、親しい仲間とワイワイやりながら食べる
低価格の店の場合は、量があってそれなりにおいしく感じ、
ワインもたらふく飲んで出来るだけ出費は抑えたいものです。
どちらも支払った費用対効果(CP:コスト パフォーマンス)
を相対的に評価しなければなりません。
料理評価本でよく見かける、高価格店も低価格店も
同じように同列に星数や10点満点で絶対評価して比較しても
実は意味がありませんし、できる訳がないのです。

でも、世にこの2タイプの店しかないということはありません。
多くの店はこれ以外の次の2つのタイプに属していると思います。

1、内装など見映えを良くし、スタッフも多めに雇って
客の目を料理から離れさせ、食材や手間暇をおしんだ
いわゆる手抜き料理を提供する店。
2、内装などはそこそこ見映えを良くしているが、
客の心地よさなどを無視してサービス面をおざなりにして、
しかし、料理はある程度の食材と手間をかけて提供する店。

これらは今の料理店の中心価格となっている
中価格店に多いものです。
どちらも私が思いますところCPは悪い。
おっと書き忘れていました。
高価格店でも料理のおいしくない、サービスの悪い店、
低価格店でも、安いだけで
手の抜いた料理を出す店も多くありました。
明日、明後日と、高価格店、低価格店の中で、
私の思うCPの良い代表的なフレンチを取り上げて食後感、
CPというものを考えてみたいと思います。


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