自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第13回
アラカルトのすすめ

最近の中堅どころのイタリアンやフレンチは
プリフィクススタイルやお任せコースを
とっている事が多いですが、
年に限られた機会に行きたい「グランメゾン」級のレストランは、
「ムニュ」(コース)か「アラカルト」の
2本建てになっています。

どちらを頼むべきでしょうか。
たいていは、価格的にはムニュの方が
お得感を持ってもらえるように設定されています。
前菜も2種あったり、メインも魚と肉の両方があったり、
フロマージュにデセール、テまでついている場合があります。
単純にアラカルトで、前菜、メインを1品ずつとって、
それにフロマージュ以降のものを注文するより
数割安くなっていることが多い。
嫌いな食材がメインにあったなら、
変更してくれる場合もあります。
普通に考えたら、コースを頼む方が得ですね。

でも、私は経験則からですが、
コースよりアラカルトをお勧めします。
店側の思惑通りの、食材の歩留まり、
手間などが割愛されるコースを頼むのは癪だ、
とへそ曲がりで言っているのではありません。

良く各皿の料理を見ていただきたいのですが、
コースとアラカルトでダブっている料理というのは
あまりないはずです。
つまり、コース用にわざわざ考えて造っている場合が多い。
安い設定価格で皿数が多くても充分ペイできる食材を使い、
手間の省ける造り置きできる料理を多用している場合もあります。
食材を変更してくれる親切な店でも、
その変更には限度があります。

そしてポーションの問題。
皿数が多くても最終的な量はアラカルトと同じような
満足感になるよう、各皿のポーションは控えめとなっています。
手っ取り早い料理のうまい、まずい、の判定は、
食材の質、食材の質に見合う塩の量、
そして火の通し方、と言われています。
食材の質は当然ですよね。
何をもって質が上かといった高度な話はここでは省きます。
塩もそれにあった量をいれないと味がボケます。
そして、焼き方ですね。
ポーションが小さいと、火の通し方が一定しなかったり、
入りすぎたりするものです。
超高額な炭火焼ステーキ屋などは、
ダブルカットとかいうものがありますよね。
厚い食材ほどおいしく焼けるそうです。
アラカルトの方が、火の入り方がうまく、
安定している可能性が高いのです。
食材の部位もコースよりよいものを使っているでしょう。

食べる食材や調理法も自由に選びたいものです。
コースではよく、一つ覚えのように「和牛ロース・・・」とか
食材が限られている場合も多い。
季節によって、色々なジビエを頼む、
最近はやりの「ブランド ポーク」を頼む、
といった選択の楽しみが「アラカルト」にはあるのです。

メートルに臆せず、食材や調理法をどんどん聞くことによって、
知識と度胸もついてきます。

お店の思惑にのらず、どんどん「アラカルト」に挑戦しましょう。


←前回記事へ 2003年5月31日(土) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ